「そろそろ、帰る時間だから、またね霞」
 観覧車を降りた途端に、ご主人様はそう言って霞を解放した。
「え……」
 でも、ひとまずはトイレに行ける。おなかはもう限界だ。
 いつ栓を噴き出して決壊してもおかしくない状況が続いている。
「きゃぁあああああ!」
 間が悪いことはあるものだった。
「まさか、牙鬼軍団!」
 そのまさかだった。
「仕方がありません」
 霞は、もう少しだけ我慢するしかなかった。