「これは一本取られたなぁ」
「昨日も会ったのに、偶然ね」
一人が美佐子に近寄って来て頭を下げる。
「まあ、偶然ですかね」
下校途中で出会い、お祝いを言われてどこで分かれたのか。
「でも、嬉しいわ」
美佐子には思い出せなかった。
が……