小夜自身が自分で紐を引かないと、その圧迫からは逃れられなのだが。
「ちゃんと分かってるじゃない、流石小夜先生!」
 少年が言うのは、排尿も排泄も何もかもが名誉市民やザンギャックTVの視聴者による専権事項なのだ。
「ああ❤……お願い❤……」
 いつからそうなったのか小夜も覚えていないが、栓をされれば自分で勝手にしてはいけないのだ。
「ああ、僕はここ迄だから次の人にお願いしたら! じゃあね」
 少年は屈託なく笑顔を小夜に向けると、くるっと踵を返して少年らしい溌溂さで駆けて行ってしまったのだった。