ドンッ
「きゃ……」
「ああ、小夜先生ぇすまんですぅ」
よそ見をしていたのは小夜の方で、入院している患者さんに何かあったら大変と思いつつも、弾き飛ばされたのは小夜の方だった。
「いえ、あなたこそ大丈夫でした?」
「ああ、俺は大丈夫だがぁ 小夜先生ぇ……それ」
転んだ拍子に白衣のポケットに入れていたイチジク浣腸がポロリと零れていた。