コポッ……くるる……
 視線の端に、ベットに取り付けられた点滴用の袋が二つぶら下がっていた。
「もう大丈夫だから」
「本当かい小夜ちゃんは無茶するからなぁ 具合が悪いなら言ってくれれば日程は変えられるのに」
 日下くんは本心で言ってるのだろうが、今日はデートを自由に止められない。
『ちゃんと彼と一日デートするんだよ』
 それが名誉市民達から事ある毎に良い服られた言葉だ。
「日下くんも休みなかなか取れないじゃない?」
(あの点滴は……)
 日下くんと会話しながら状況を整理していく。
(グリセリンとなにかしら……)
 シーツの裾から入れられている管は、きっとアナルへと続いている、お腹の奥の方にある圧迫感がそれを証明している。
(そして、この肌触りは……)
 シーツに触れる全身はもちろん全裸のまま寝かされている。
 この医務室は名誉市民が管理する空間だという事だった。