「あひんっ!❤❤」
 ズルズルと空の缶が引き抜かれる。
「空の缶なんか入れておくなんてよぉ、どうせなら俺たちに飲ましてくれたらよかったのに」
 誰が缶を空けたかなんてもちろん小夜は知らないのだが、ここに来るように命じられた以上勝手に開けたのは、この場にいる彼らの仲間なのは間違いは無くて、何を勝手な事を言っているのかと思わないではない。
「おやおや、こっちのバスケットの中にまだ缶ビールがいっぱい入ってるぜ」
「それは……」
 警備員に持たされたバスケットの中が、一体どれほどのものか、小夜の知る所ではないが……どこまで連携しているのかと考えれば恐ろしくなる。