「メス」
「はい!」
 通常なら5時間はかかりそうな複雑なオペはテキパキと進行していた。
「んぐっ!」
 ズズズズズズズ……
「投薬○○ミリ追加して」
 麻酔科医は小夜に長大な浣腸器を刺し、患者の様子を探りながら麻酔薬の追加を命じながら浣腸器のピストンを押している。
「か、管子……」
「はい」
 それでも小夜の手は止まらない。
 オペ開始から既に一時間を超え、浣腸液は2ℓを超えて小夜の腸内に吸い込まれている。
「あと1時間くらいか、予定通り4ℓ入れられそうだね」
 麻酔科医はちびちびと時間に合わせて浣腸液を抽入していた。