しかし連れて行かれたのは、遺伝子研究所だった。
「な、なんで日下くん!」
 ずっと小夜に背を向けたまま、何度かつれて来られた場所まで彼は小夜を連れ込んだ。
「これが例の混合用浣腸液かい」
 以前小夜を嬲りつくした研究員たちがゾロゾロと現れては、裸のままの小夜を取り囲んでいく。
「実はヨドン軍の作戦に利用されてから国からの資金が止まってしまってね解散の危機だったんだけど、ザンギャックから資本提供を受けたんだ」
 そう、日下くんは名所市民という存在も、現地徴用慰安婦という存在も既に知っていたのだ。