「小夜先生、少し協力して欲しい事があるのじゃが」
小夜に声をかけて来たのは肛門科の教授、もう診察などほとんど現場には出ていないと聞いていた、小夜も姿を見たのは久し振りだ。
「わ、私ですか?」
そういえば肛門科との付き合いは、今までなかったそういう器官のオペもこの病院に来てからは皆無だ。
「だから、声をかけたんじゃがな?」
「は、はい」
疑問に思いながらも、相手は過去にいくつもの論文を発表している名医であるのだからと安心してしまったのかもしれない。