「ふう……」
ため息をつくなんて、どれくらいぶりだろうと小夜は思う。
外敵に好きにされ、戦うべき敵の雑魚にも好きにされた揚げ句、味方であるべきCARATや一般市民であるココナッツベイの社員にまで肉体を好き放題されているのだから。
「ダメだわ……」
そう、するべき事は自分で決めて、そして何事もあきらめず前向きに突破する。
「そうやって来たじゃない!」
「ベチャ」
「え?」
小夜ともあろうものが、背後の気配に気が付くのに時間を要してしまったのだ。