「帰って下さい……ああ、帰って」
開けられたドアの中は、今朝仕事に向かうための用意をして完璧にそれをこなして外出したままの状態だ。
「いい匂いじゃねえか?」
クンクンと警備員が鼻を鳴らす。
「あ❤……」
足を背後から押されるままに室内へと歩を進めさせられる。
「赦して……ここでは……」
そこは、一日の疲れをいやす為の小夜だけの聖域。
「五月蠅い、本心は逆の癖しやがって」
また同じように、足を押されながら小夜自身の部屋へと繋がったまま入っていく。