もう、目線で懇願するしかなかった。
「ひひひ、話せよ」
 その声が入っているのか簿妙な小声で……
『救急車は手配した、だから小夜くんも病院へ向かってくれないか?』
「わかりました、私もすぐに向かいます」
『悪いね、プライベートの邪魔はする気は無いけど、ごめん』
 何かを勘違いされたらしい……
「酷いです……」
「急がな、いけないんだろ?」
「はい……じゃあ」
「ああ、小夜ちゃんがこの体制で俺をイかせる事が出来たら、終わりにしてやるよ」
「え?……」
 もちろん、小夜にそんな経験もスキルも無い。
「早くしないといけないんじゃないのか?」