「よし、走るか!」
「先生着替えないんですか」
「わんわん」
「大丈夫だ、行くぞ」
 師匠は小夜に気が付かずにコテツを連れて遠ざかっていった。
「ほっ……」
 やっと、心臓の鼓動が収まる感覚がした。
 ズキン……
 収まったのは、本当に何だったのか、バレたかったのか師匠にまで奴隷の様に扱われて、力でも圧倒的にかなわなくて、世界を守るような資格などないと思い知らせてもらいたっかのかもしれない……
「そんな事、あるわけないじゃない」