町は人であふれていた……
「どうしようか……」
律儀にリードをぶら下げたままで、小夜は身動きが取れなくなっていた。
この姿のままでは、電車どころかバスもタクシーも乗れない。
「ここで夜までいたとして……歩ける?」
路地裏に入って、遮蔽物に身を隠したところで、外には出れなくなってしまったのだ。
ベチャッ