「おや?」
ようやく人の声が聞こえた、小夜の入ったこの袋を認識してくれたのだろう。
いったい、どれくらいの時間そうしていただろうか、何も見えない暗闇で簡単に人は時間の感覚を失う……それどころか、いったいどれくらいの時間をコテツの犬小屋で暮らしたのかも思い出せない。