「誰と戦う気?」
「気分だよ」
 見渡すと、裸の女性たちと子供が愛理を見つめている。
「「変身した……」」
 普通の人は変身したりしない。
「どうやって帰るの?」
「どうやってって、デンライナーが……ああ、あいつらそう言えば止まらないで俺のこと落としやがったなぁ」
「もしかして、帰れないの?」
「ああ……」
「じゃあ、協力して欲しいのだけど、いいかしら?」
「なんだよ」
「みんなを助けましょう……どうも、ここはおかしいわ」
「ちっ 仕方ねぇなぁやっぱりあんたは良太郎の姉貴だな」
 それは最上のほめ言葉かも知れない。
「行くぜ!」

 モモタロスは、愛理の肉体を操って駆けだした。
 目標も決めぬままに。
「ちょ、ちょっと……このまま……えええ!」
 狼狽える愛理に気を使わぬままに、全裸で……