あやね
デッドオアアライブ

敗北を知った時……の図



負けました……もう赦して下さい……



「人間とは、脆いものだ…全ては我が戯言なり!」
 万骨坊は、満足していた。
 自分が裏で糸を引き開催した第2回デッド・オア・アライブ。
 それに踊らされ、脆弱な人間達が戦い合う様はなかなかの娯楽だった。
 それでこそ禁を破ってわざわざ人界に降下した甲斐があるというものだ。

 あやねは、その万骨坊の傍らでまるで梱包された荷物のように置き捨てられていた。
 裸体を自らの帯によって緊縛され、足を前後に大きく割り広げた格好で。
 あられもなく晒された秘裂には破瓜の血がこびり付き、先だっての凌辱の跡を生々しく残している。

「負けました……もう赦して下さい……」
 再び始まる凌辱の気配を感じ、新たな涙を流しつつ弱々しく懇願するあやね。
「深山の女天狗」とまで称された凄腕のくの一も、本物の天狗の前では手も足も出なかった。
 赤子のように完膚無きまでに叩きふせられ、男になぞ指一本触れられたことの無い処女をいいように凌辱され、己の無力さと万骨坊への恐怖を骨の髄まで叩き込まされた。
 今や、かつての人を小馬鹿にした蠱惑的なくの一の姿は影も形も無く失せて、残ったのは人外の怪物への恐怖に怯える哀れな十六歳の少女だけであった。

「万骨坊様のお力、身に滲みてわかりました……どうかお赦し下さい……」
 かつての彼女を知る者が聞いたら信じられないであろう屈服の言葉。
 しかし、彼女にそんな哀願を初めて使わせた相手は全く聞き入れようとしなかった。
 軽々とあやねの小柄な身体を抱き上げると、あぐらをかき向かい合うようにして引き寄せる。
 そしてすでに天を突いている、あやねの腕ほどもある明らかに人間とは桁外れの一物を、熱く心地よい肉の鞘に収めようと狙いを定める。

「ああ……お願いです、それだけは……それだけは…辛いんです、堪忍して下さい…」
 秘裂に押し当てられた一物のあまりの大きさに、処女肉を引き裂かれた時の凄惨な感覚が蘇ってくる。
 いたぶるようにこすり上げる熱い亀頭の感触に裸身がブルブルと震え、涙をボロボロと零して頭を振り立てる。
 しかしその足掻きもまた万骨坊の残虐な心を楽しませるだけの効果しかなかった。

 ズンッ!!

「ぐうあッ、あああああッ!」
 情け容赦の無い挿入の激痛に泣き、激しく頭を振り暴れるあやね。
 しかしその動きは容易く押さえ込まれ、かえって一層体は引き寄せられ腰を密着させられる。
 その間にも一物はメリメリと音を立てんばかりの感じであやねの中へ埋まっていく。
 身が裂けてしまいそうな激痛の中で裂傷が再び口を開き、鮮血が黒々とした一物を彩る。
 並の女であったら二度と使い物にならなくなってしまうかもしれない。
 それだけのサイズだった。
 しかし、鍛え抜かれたあやねの肢体は本人の苦痛は別として、かろうじてその長大すぎる一物を呑み込んでいった。

「きいいッ!……はあっ、はあっ、はあっ……」
 最後に一際大きく喉を反らせて遂にその全てを収め終わった時。
 あやねはすでに暴れる力も失い、死んだようにぐったりしていた。
 油を塗ったように体中脂汗でぬらぬらと濡れ、舌を突き出して荒い息をつく様はまるで犬のようだ。
 あまりの衝撃に股関節が粉々に砕けてしまったような気さえして、手足に力が入らない。
 今のあやねの感覚を占めているのは、胎内奥深くまで突き入れられた灼けるように熱い一物の圧倒的な存在感と、それによってもたらされる強烈な圧迫感ばかりだった。
 今の自分はまさに体の中を通った「芯」によってかろうじて支えられている…
 あやねは朦朧とする意識の中で、串刺しにされだらりと身体の力を抜いている自分をそんな風に感じていた。

 だが、万骨坊はあやねが一瞬たりとも休むのを許しはしなかった。
 万骨坊の指が一物を喰わえ込んで限界まで開ききっている秘裂の上に伸び、肛門から垂れている紐を勢い良く引き戯れに押し込んでおいた数珠を一気に引き抜く。

「ひああああッ、ひいッ、ひいいッ…!」
 20センチ以上もの長さ、それも長時間入れられていたために直腸がようやく馴染み、絡み付くように喰い締めていたため、それを突然勢い良く抜かれる衝撃は凄まじかった。
 内臓を引きずり出されるような強烈な感覚に、あやねは激しく身悶え、そしてそれは前に受け入れている一物から受ける苦悶を倍増させる。

「ううッ!くあぁッ、しッ、やあッ、し…、死ぬうぅ……」
 さらに間髪入れずに、万骨坊が叩き込むように激しく律動を開始する。

 万骨坊は、満足していた。
 これほど具合の良い女は生を受けてから千五百年の中でも出会っていない。
 桁外れの欲望を持つ破戒天狗である自分は、性欲の方もまた甚大である。
 人界に滞在し続けるには、その煩悩を鎮める女体が必要であった。
 この女ならその任に最適であろう。
 美味たる肢体もそうであるが、一度心の底に植え付けられた自分への畏怖は、この女を縛り付け自分に逆らうことをさせないであろう。
 この女ならば、不老長寿の秘術を施し、永年の時を生きる自分の僕として仕えさせるのも良いか、とまで思っていた。
 そんな自分をさらなる苦獄へと追いやる万骨坊の思惑に気づくはずもなく、あやねは半ば白目を剥いたまま、大波に翻弄される木の葉のように小さな肢体を揺らされ続けていた。

ROGUEさんに頂きましたありがとうございました。



戻る