前原 しのぶ
ラブひな

さて先輩にバラしてもいいのかな?……の図



さて……今度はどこまでまくってもらおうかな?



「あの、もう、会わないでもらえませんか……」
「ん〜、それはダメだよ、しのぶちゃん。ボクは君のこと、気に入ってるし」
席に着くなり口を開いた言葉は、世間話でもしているような軽薄な笑みであっさり却下された。
 髪を茶色に染めた、ナンパ風の色の濃い今時の大学生といった感じの男だった。
「で、でも、私もう……」
「つれないなあ〜、せっかくしのぶちゃんだって楽しくなってきたはずなのに」
 男は一枚の写真を取り出すと、しのぶの前に滑らした。
 それを手に取ったしのぶの顔が引きつった。
「そ、そんな……」
 写っていたのは、ベッドの中で男と抱き合っているしのぶ。
 恥ずかしげに目を閉じているが、その顔にははっきりと官能の色が浮かんでいる。
 男は顔こそ写っていないが、目の前の男であることは疑いようもなかった。
「ひっ、ひどいです……こんな、撮ってたなんて……」
「言ったろ、君のこと気に入ってるって。だから別れるなんて言ってほしくないんだよなあ〜」
「うう……」
 しのぶが今にも泣きべそをかかんばかりの顔で、ガックリとうなだれる。
 相手が自分の想像よりはるかにタチの悪い男だったことを思い知った顔だった。
「さて、今度はボクの番だ。しのぶちゃん、ちゃんとボクの約束守ってきてくれた?」
 猫なで声の男の目は、完全に自分の優位を確信している。
 しのぶにはもう男に抗うだけの気力はなかった。
「…………はい」
 か細い、それこそ蚊の鳴くような声で返事をするしのぶ。
「ふーん、いいコだね。別れ話を切り出したワリにはしっかり約束も守ってくれてるなんて。ホントはしのぶちゃんも別れたくなかったんじゃないの? 引き留めてくれるのを期待してたとか」
 勝利を決定的にしただけに、男のいたぶりはねちっこい。
 しのぶは膝に置いた手をギュッと握りしめて身を固くしたままだった。
「じゃあ、その証拠を見せてくれよ」
「えっ、こ、ここでですか……?」
「うん、そうだよ。ここでやるんだ」
「…………」
 涙をいっぱいにためた目で、しのぶは許しを乞うように男を見た。
 が、やがてあきらめたように、オズオズとスカートの裾をたくし上げていく。
「おお、見えた見えた。うんうん、ちゃんと言いつけ通りだね、えらいえらい」
「ああ……」
 まくり上げたスカートの中、少女の粉をふいたようにスベスベの内股と下腹部が丸出しになる。
 肌の白さのなかで、コードのピンク色が一際けばけばしく目立つ。
「おっと、落としちゃった」
 男はわざとらしくスプーンを落とすと、拾うふりをしてテーブルの下にもぐり込んだ。
「ほら、足開いて。よしよし、忘れずスイッチも入れてるね。」
「い、いやあ……お願いです、こんな所でやめて下さい」
 三つのローターは言いつけ通り一つはオマ○コの中、もう一つはその後ろの窄まり、そして最後の一つはテープでクリ○リスに張り付けられている。
 そんな恥ずかしい股間に注がれる視線を火のように感じて、しのぶは涙声を上げた。
「そんなこと言ってしっかり感じてるみたいだね。フフ、濡れてるよ、しのぶちゃんのオ○ンコ」
「う、うそです!……わ、わたし、感じてなんか……」
 喫茶店でノーパンのままスカートをまくるという行為。
 いやらしいオモチャを三つも装着した恥ずかしい股間。
 そして、そんな信じられない状況でしっかりと反応してしまっている身体。
 恋に恋する年頃の少女、ましてや人一倍オクテなしのぶには眩暈のするような羞恥だ。
「死んじゃいたい……」
 やるせなくそう呟くと、しのぶはキュッと唇を噛んだ。

「そろそろ場所を変えようっか」
 二人が店を出ると、男は馴れ馴れしくしのぶの腰を抱き寄せた。
「い、いやです。はなして……」
 しのぶは身をくねらせて逃れようとするが、周りの視線と下腹部から湧き上がってくる妖しい疼きに力が抜け、男をはねのけることもできない。
 それどころか、一歩歩く度にローターの存在を思い知らされ、かえって自分から男にあずけるような恰好になってしまった。
 周りから見れば、ぴったりと身を寄せて歩く二人はカップルがいちゃついているようにしか見えないだろう。
「あ、あう……」
 思わず熱っぽい声を上げてしまって、あわててしのぶは唇を噛みしめた。
(どうしてこんなことに…………)
 すったもんだの末の景太郎となるの交際は、もちろんしのぶも祝福するものだった。
 しかし、分かってはいたはずの失恋は、しのぶの心に本人の想像以上の隙間を作ってしまっていた。
 そんな時たまたま街で出会ったのがこの男に巧みな話術と見せかけだけの優しさでつけ入れられ、何度かデートを重ね、求められるままについに身体を許してしまったのが間違いだったのだ。
 以来、男の要望は回を増す毎にどんどんエスカレートしている。
 最初こそこれも恋愛だと献身的に尽くし、顔から火の出る思いで淫らな要求に従っていたしのぶだが、さすがに男が自分の身体で遊んでいることにすぐ気づいた。
 だからこそなけなしの勇気を振りしぼって別れ話を切り出したのだが……
「おい、あれ、あれが浦島じゃないのか?」
 男の言葉に、ハッと我に返った。
 前方、50メートルほど先の交差点を、浦島となるが肩を並べて歩いている。
(やだっ、浦島先輩)
 反射的に、しのぶの身体がキュッと強張った。
「ははーん」
 それを身体越しに感じて、男が唇の端を吊り上げた。
「よし、ちょっくら声かけてみるか」
「ええっ!? お、お願いです、そんなことやめて下さい!」
 途端に弾かれたように顔を上げたしのぶが、すがりつかんばかりに男に哀願する。
 そのあわてぶりが、ますます男を楽しませることにしのぶは気づいていなかった。
「何だよ、『彼氏』としてはしのぶがいつもお世話になっている人に挨拶ぐらいしておかないとなあ〜」
「ひ、ひどい……やめてっ、やめて下さい……」
「うるさいよ」
 無造作に男はローターのコントローラーを掴むと、三つともMAXにスイッチを入れる。
「ひっ、ひいっ! と、とめて、とめてぇ……」
 背伸びするように、しのぶは下半身を突っ張らせた。
 哀願を繰り返していた口も、あわてて噛みしめる。
 今口を開けたら、あられもない声が出てしまいそうだった。
「よしよし、おとなしくなったな。じゃあ行こうか」
「あ、あう……」
 瘧にかかったようにブルブル震え足を踏み出すのもままならないしのぶを、男は強引に引き立てていった。
 タイミングの悪いことに、向こうもしのぶ達に気づき、手を上げてこちらに歩いてくる。
 少しきょとんとした二人の顔が近づいてくるのを、しのぶは絶望的な気持ちで見ていた。


 ROGUEさんに頂きましたありがとうございました。



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