結城彩雨モノ第三弾はテキスト付きですね、たっぷりじっくり堪能させて頂きました……はい |
「魔猿の宴」 〜上里 江美子 後日談〜 香港・九龍(クーロン)地区。 ビッシリと林立する高層アパート街は、「魔都市」の異名を取る犯罪者の楽園である。夜の九龍に立つ日本人は2種類しかいない。 無知か無法、のどちらかである。 九龍の一画に、多くの護衛と共にリムジンから降り立った老人は、まぎれもなく後者の方であった。みすぼらしい雑居ビルの前で、老人を出迎えた中国人は満面の笑みを浮かべた。 「遅いあるよ、横沢先生。もうショーは始まってるある」 中国人の名は李。ここ数年で頭角をあらわした新興財閥の長である。 「フン。こんな薄汚いスラム街に呼び寄せて、遅いもへったくれもあるか」 ぞんざいに答える横沢老人に、李は愛想笑いと苦笑を混ぜながら返す。 「葉を隠すには森の中、言うある」 雑居ビルのエレベーターの中に客人達を招き入れ、李が手馴れた操作で IDカードを操作盤の差込口に刺すと、エレベーターは降下し始めた。地下の階を示すボタンがないことに気付いた横沢老人は、にやりと笑った。 「…なるほど、おんぼろビルは目くらまし、というワケか」 日本の政財界・医学界、はてはヤクザ組織にまで絶大な影響力をほこる戦後の怪物・横沢翁のお褒めの言葉に、李は内心ホッとして答える。 「地下ホールは、ビルの敷地よりも広く、最高・最新の設備を整えた快適な空間ある。満漢全席と東西の美女を揃えた酒池肉林、楽しむことね」 「いッ、いやあああああああああッ……、ひッ、ひいいいぃいッ!!」 エレベーターの扉が開き、地下ホールに降り立った横沢の耳を、けたたましい女性の悲鳴が打つ。それを心地よく受けながら、横沢はホールを見渡した。数十名の観客の視線はすべてホール中央のステージの上に注がれていた。 並大抵のショーでは満足しない好事家達の目を釘付けにする光景…。ステージに視線を移したとき、横沢老人は納得した。 「…なるほど、のう。これは凄いわィ…」 二頭の巨大なゴリラが、天井から吊り下げられた全裸の女性を舐めまわしていた。ゴリラの長い舌が敏感な場所を嬲るたびに、女性は美しく流れるような髪を乱して悲鳴をあげる。その跳ねるように悶える様は、今まさに餌食になろうとしている白い牝鹿を思わせた。 「ひッ、そんな……、あうッ…ああッ、いやぁ…いやああああッ」 調教の結果だろうか。耐えきれないはずの恐怖と嫌悪感にもかかわらず、彼女の肉体は官能的な反応を見せ始めていた。 「ヒヒヒ…。なんとあさましい牝じゃ。ゴリラに弄ばれて濡らすとはのう」 「上里江美子という牝あるよ、あの猿二匹と結婚させてやったある」 「…江美子!? …奇遇じゃのう、先日 解剖してホルマリン漬けにしてやった実験体と同じ名前じゃわい」 横沢と李の楽しげな会話をはじめ、場内は江美子を嘲笑うさざ波に満たされていた。会話の内容は聞き取れないことが、江美子にとってわずかな救いだったかもしれない。 だが。ようやく、ゴリラの舌責めから開放されたとき、江美子は耐えきれず叫んでいた。 「……何が面白いのッ!? 江美子を辱めて、苦しめてッ…、何が楽しいのッ」 「…こ、この変態ッ。悪魔ッ。鬼ッ。キチ○イッ。けだものッ、けだものッ」 声の限り、言葉の限り罵る江美子。もともと気が強く、誇り高い女性である。どうせ見世物にされて、嬲り尽くされるにしても、一矢は報いたかった。 だが、そんな彼女の抵抗は思わぬ効果をあげた。屈辱で真っ赤な顔をして、 李が江美子に抗議の叫びをあげたのである。 「ななな、なんてコト 言うある!? 調教が至らないと、ワタシに恥かかすあるかッ?」 「……い、いい気味だわッ。そんな恥ならかけばいいわッ」 江美子の言葉に、李をはじめ黒川・陳・井川代議士達 主催者は激昂し、決意した。 (今夜は徹底的にやってやる。殺す気でな…) …4000ccのグリセリン原液による大量浣腸…。 ……妊婦のようになった腹をはじめ全身を、数人がかりで鞭打つ……。 ………大量浣腸をした上で肛門をゴリラに貫かせ、決して排泄を許さないまま延々と突き責め犯させる………。 …………皮膚が破れ、血が滲む傷口に塩をすり込みながら、秘奥にもう一頭のゴリラが容赦なく腰を打ちつける…………。 「ぎゃぁぁああああああああッ、あぐ…あわわわッ、きぃ、きいいいッ……」 「…ゆ、許してぇええッッ…江美子が悪ッ、わる、ま、間違ッ…ひぎぃいいッ」 その地獄のような光景を存分に楽しみながら、横沢老人は考えていた。 (…あの二頭のゴリラ、使えるのう……。なんとか買い取るか借りるなりしてやろう。…今度はワシの牝、市村弘子のショーに…。楽しみじゃワイ) |