誤解(ほとんどオリジナル)
by nanasi
更衣室の戸が突然開いた。女生徒たちは着替えをやめ、制服でとっさに体を隠した。
入ってきたのは二年の女子だった。
「佐倉さんいる?」
「はい」
名前を呼ばれて顔を上げたのは、栗毛色の髪を頭の両側で束ね、表情に少女のあどけなさが残る娘、佐倉唯である。
唯は体操服を整え、ブルマを直しながら戸口へ急いだ。先輩に呼ばれたときは走らなければならない。
「キャプテンが呼んでるの。ちょっと来てくれる」
「あの、今すぐですか?」
「そうよ。早くして」
「わかりました――和子、先に行ってて。わたし後から行くから」
唯は友人に言葉を残して、更衣室を出た。
廊下を歩きながら尋ねる。
「用事は何ですか」
「行けばわかるわ」
ふたりは渡り廊下をつたって中庭を横切り、ラクロス部の部室へ向かった。
「入ります」
二年の小林はノックし、ドアを開けた。薄暗い部室内、椅子に座り、足を組んで待っていたのはラクロス部キャプテン、三年の黒川麗子である。背中まで伸びた黒髪と切れ長の目が特徴の、学園でも屈指の美人である。
他には黒川と同級の飯田早紀子が壁際に立ち、もう一人、二年の井上の姿もあった。みな体操服にブルマ姿である。次の時間は全学年合同での球技大会だった。
「失礼します」
唯は一礼して部室に入った。最近礼儀にも慣れ、挨拶もさまになってきていた。だが高校クラブの上下関係の厳しさに、中学の頃を懐かしく思うことも多い。
唯の背後で二年の井上がドアを隠し、その後ろで小林が静かにカギをかけた。唯は目の前の先輩に緊張し、そのことに気づいていない。
黒川が口を開いた。
「佐倉さん、昨日校舎裏で伊原くんと一緒にいたでしょう」
「は、はい」
「伊原君と何をしたの」
「お話を……しました」
伊原は男子硬球テニス部のキャプテンである。黒川とは学園内でお似合いのカップルとしてうわさが絶えなかった。だが、伊原に恋愛の気持ちは全くなく、ただの友人としてしか黒川を見ていなかった。
黒川は言った。
「見た人がいるのよ。正直に言いなさい」
唯には何の事かわからない。
「伊原先輩から声をかけられて、イギリスに留学していたことを聞いて――わたしも去年までイギリスにいたので――それだけです」
黒川は疑いの目で佐倉を見つめ、あごで合図した。井上が唯の体を背中から押さえつける。さらに小林が唯の両腕をひねりあげ、粘着テープで後ろ手に縛った。
「痛っ、いったいなにを……」
突然のことで驚いたが、相手が先輩とあって抵抗できなかった。唯は不自然な格好に前のめりになったが、井上が後ろから髪をつかんでまっすぐに立たせた。
飯田がぽつりと言った。
「あなた伊原君とキスしたんですってね」
唯は驚きの目で飯田を見た。
黒川が言う。
「わたしの彼氏と知ってて、したの?」
「そんなことしてません! 昨日はあの時、目に入ったゴミを取ってもらって…… それ以外は伊原先輩に近づいていません」
事実である。だが黒川は呆れ顔で言った。
「そんな三流恋愛小説みたいな言い訳、信じると思う?」
壁に寄りかかっていた飯田が、唯の元へ近づき、言った。
「麗子って怒ると怖いのよ。本当のこと言ったほうがいいわよ」
「本当です!」
黒川は小林と井上に言った。
「この娘脱がしちゃって」
「いや! あっ」
ふたりは唯の体を持ち上げ、会議机の上に仰向けに寝かせた。井上が唯の体操服とブラをたくし上げ、小林がブルマをパンティーごと剥ぎ取る。さらにそれぞれが唯の右足左足を持ち、無理やりに股を開かせた。唯の柔らかな丘部と細やかな陰毛があらわになった。
黒川は立ちあがった。スポーツバックから何やら取りだし、唯の目の前にさらす。
「これが何かわかる?」
ゴムビニール製の表面が黒く照る、長さ二十センチほどのグロテスクな物体。唯は何をされるのかわからず、恐怖にただ震えていた。
黒川は微笑みながら言った。
「バイブを見るのは初めてかしら。ねえ佐倉さん、これをおま○こに入れられたところ、ビデオに撮られたくないでしょ?」
見ると飯田がハンディカムを手に構えている。
「ねえ、本当のことを教えて。ひどい事はしたくないの」
唯は目を涙でうるませ、かすれた声で答えた。
「……彼とは……何も……していません」
優しく作っていた黒川の顔が、一瞬にして冷酷なものに変わった。
「彼……ですって。あのひとを彼って呼んでもいいのはわたしだけよ。どの口がそんなことを言うのかしら」
黒川はバイブを唯の口に無理やり突っ込み、力を入れてぐりぐりと動かした。
「むぐっ! うっ、うっ、むううっ!」
バイブの先が喉まで達し、咳することもできない。唯は首を左右に振り、涙をこぼしながら体をよじった。
唯が「彼」と言ったのは、特別な感情があってではなかった。昨日伊原とは英会話の話で盛り上がり、授業では耳にしないキングズ・イングリッシュを久しぶりに聞いたのだった。そのことが頭に残っており、唯は知らず伊原のことを彼(he)と呼んでいた。
だが、いまさらそんな言い訳をしても黒川は信じないだろう。
飯田が言う。
「やっぱりこの娘、キスしたのよ。もしかしたらCまでいってるかもよ」
「……そうね。じゃあ調べてみなくちゃ。早紀子、カメラ回して」
黒川は机にほおってあったパンティーをバイブの代わりに唯の口に詰めた。小林と井上が力を入れ、唯の股をさらに開かせる。
黒川の持つバイブが唯の秘部をゆっくりとなぞりはじめた。襞がめくれ、オナニーを知らないピンク色の内壁と小さな突起があらわになった。
「むうぅ、むっ、ううんっ」
二分ほど愛撫を繰り返すと、バイブの先端はてらてらに輝き、糸を引いていた。
「いやらしい娘。そんなに欲しいの? なら、あげるわ」
黒川は一気にバイブを挿入した。
「んぐぐううっ!」
唯の体が机の上で弓なりに反った。反射的に股を閉じようとするが、小林と井上は力を入れてそれを許さない。下の口は伸び切ったゴムのようにバイブをほおばっている。黒川はさらに力をこめ、左右にねじりながら、バイブを奥へ奥へと押し込んだ。
「うんっ、ぐっ、ぐううっ」
子宮に達したところで黒川はバイブを離した。すかさずリモコンを手に取り、スイッチを入れる。バイブは鈍い電動音とともに回転、反転を始めた。
「うぐうっ!」
あまりの激痛に唯は目を大きく開いた。バイブの動きに合わせて全身は痙攣し、机の上でびくびくと跳ねた。われ目から二度三度と黄色い液体が飛ぶ。唯は失禁していた。
カメラを撮っていた飯田が言った。
「ねえ、見て」
バイブと秘部の継ぎ目から鮮血が流れ出、愛液と混じり、机に小さな池を作っている。
「佐倉さん処女だったの? よかった。これでセックスの疑いは晴れたわ」
黒川はリモコンのスイッチを切り、バイブを一気に引き抜いた。唯の秘部は半分開き、赤の混じった愛液を垂らしている。黒川は唯の口からよだれで濡れたパンティーを指でつまみ取り、バケツへ投げ捨てた。
「どう? 本当のことを話す気になったかしら。あなたの開通式をインターネットで流してもいいのよ。それともコピーして男子に売ろうかしら。みんな何千回もオナニーするわ。欲情してあなたを襲うかもしれないわね」
唯は涙声で言った。
「わたし……キスしていません……伊原先輩に……聞いてみてください……どうしてこんな……ひどい……」
ここまでくれば黒川にとってキスの疑惑などどうでもよかった。伊原の前から邪魔者さえ消えればいいのだ。目的の半分は達した。あとは仕上げである。
黒川は二年のふたりに言った。
「あれをするわ、準備して」
小林と井上は唯をいったん床に下ろし、机の前に立たせた。井上が上半身を机に押し付け、小林が足払いで股を開かせる。唯はお尻を突き出した格好になった。そこへガラス製の浣腸器を手にした黒川が来た。
黒川は唯のやわらかな臀部を片手で開き穴をあらわにすると、浣腸器を肛門へ突き刺した。
「ううっ」
唯の体がびくりと反応する。処女を失ったショックで動けないのか嫌がる様子はない。
黒川はピストンをゆっくりと押した。
「うっ、うっ、ううんっ」
小さなあえぎ声とともに、小刻みな腰の震えが注射器に伝わってくる。時間をかけて、黒川はすべての液を唯の体内に注入した。
「腕をほどいてあげて」
黒川は言った。
自由となった唯は腰が抜けたかのようにその場へ座り込んだ。黒川が浣腸器をしまいながら言う。
「普通は二百ミリリットル入れるんだけど、今のは百にしておいたわ。これで球技大会に出なさい。もちろん途中でトイレに行ったり、こっそり抜け出してはだめ。わたしたちあなたをずっと監視しているからね。参加する試合をすべてこなし、大会が終わるまでトイレを我慢できたら今回のことは忘れてあげる。もしも途中で逃げたり、ここであったことを誰かに話したら、その時はあなたの初体験を公開するわ」
飯田が言った。
「返事はどうしたの?」
「……わかりました」
唯はよろよろと立ちあがった。ブラを直し、体操服を腰まで引き下げる。あたりを見回したが大切なものがない。
「あの、わたしのブルマとパンティーは……」
黒川が答えた。
「汚いから捨てたわ。そこのバケツにあるはずよ」
部室の隅にはモップ入りのバケツが置かれていた。唯のブルマとパンティーはその中で濁り水を吸い、グッショリとなっている。
「これをはきなさい」
黒川は新しいブルマを投げてよこした。
球技大会は一クラスにつき男女がそれぞれ二つの組をつくり、計四つの競技に出場しなければならない。種目は毎年クジで決められ、今回は男子が野球とバレー、女子がソフトボールとバスケットだった。唯はバスケットを選んでいた。最初の試合は体育館である。
「遅いよ、唯」
ゴールの練習をしていた和子が唯を見つけ、叫んだ。
唯は一年生ながらラクロス部で準レギュラーを取るほどの実力があり、球技大会でもクラスの主戦力として期待されていた。和子は唯の元へ駆け寄り、自分がつけていたゼッケンを渡した。
「よかったエースが間に合って。もうちょっとでわたしが出るところだったんだから。あれ、顔色悪い?」
その時コートの反対側から鋭い視線を送る飯田の姿があった。その隣には黒川もいる。
「ううん、大丈夫。明るいところから突然室内に入ったから、めまいがしただけ」
「……そう。じゃ、がんばってよ。期待してるからね」
唯はゼッケンを身につけ、コートに入った。唯のポジションはチームの軸となるセンターである。
試合が始まった。
ジャンプボールは相手チームが取った。素早いドリブルとパスが渡り、あっという間に二点を取られた。
コートのまわりには多くの生徒が試合を観にきていた。もちろん男子の姿もある。彼らの目的はこの機会に目当の娘を探すことだが、その視線は唯へ集中するようになった。
唯の髪型、顔つきが可愛いばかりではない。つけているブルマが小さく(パンティーをはいていないこともあって)お尻のラインがくっきりと外に出ているのだ。食い込みそうになるブルマを指でしきりに戻すしぐさも男達の目を引きつけていた。われめの輪郭が薄らと浮かび上がっているのを見つけ、密かに前を押さえる男子もいた。
試合は相手のペースで進んだ。パスもドリブルも満足に出来ない唯が完全にチームの足を引っ張っていた。
「ちょっと佐倉さん! しっかりしてよね」
五度目のパスを落とした唯に、同じチームの三田がキレた。テニス部で鍛えた足腰を活かし、これまであげたポイントはすべで彼女がからんでいる。三田からすれば、なにかとブルマを直したり体操服でお尻を隠そうとする唯が、男の目ばかりを気にして試合に集中していない不真面目な態度に思えるのだ。
「ごめんなさい」
苦しそうに答える唯を、三田は無視し、ボールを奪いに走った。
黒川と飯田は少し離れたところから試合を見つめている。
「あの娘がんばるわね。大会が終わるまでもつと思う?」
飯田がハンディカムのファインダーをのぞきながら言った。
「まさか。四百ミリリットルも入れたのよ。もつわけないじゃない」
飯田は顔を上げ、驚いた表情で黒川を見た。そしてまた撮影に戻った。
「麗子もワルね」
「ふふっ、あの娘もバカだわ。試合が始まる前にさっさと漏してしまえばよかったのに。変に根性出して頑張るから。あの娘のお腹、薬が染み込んで、いまゆるゆるのはずよ」
点差が二十点に開いた。返しのパスが素早く出される。三田はドリブルで相手陣地深くに攻め込んだが三人に囲まれてしまった。マークをされていないのは唯だけである。三田は喝を入れる意味をこめて、唯へ力のこもったパスを出した。
「うっ」
唯はパスを取り損ね、直接飛球をお腹で受けた。すかさず相手チームがボールを拾い、ドリブルで攻め上がっていく。三田も急いで自陣へ駆け戻った。
敵陣にひとり、唯がお腹を押さえて立っていた。
床を通して響くジャンプ、ドリブルの振動が、唯の下腹部を刺激する。ギュルギュルという不気味な音が体内を伝わり、唯の耳に届いた。身体中から脂汗が流れ出し、両足がぶるぶると震える。やがて、激しい便意が唯を襲った。
唯は両手でお尻を押さえた。
(嫌っ。出ないで、お願い、出ないで)
すでに大量のものが肛門に押し寄せていた。唯は失神しそうな苦しみに必死に耐えた。
だが、もう我慢の限界をだった。ついに括約筋が緩んだ。
ぶりっ! ぶりっ! ぶりぶりぶり――
不快な音が体育館に響いた。綺麗なヒップラインを描いていたブルマがいびつに膨らんでいく。小さなブルマではすべてが収まりきらず、お尻の間から、茶色い流体物が漏れだした。液便は震える太ももの内を伝い、紺のハイソックスを汚しながら床へと流れ落ちる。
唯の足元には汚物の池ができはじめていた。 (お願い、止まって。お願いだから止まって……) ぶりっ、ぶっ、ぶぶっ―― 唯の意思など関係なく、肛門は容赦なく働き続けた。大量に注入された薬は腹の隅々まで行き渡り、二日分の便をすべて液状に変えて吐き出そうとしていた。 「あの娘、まだ出してる」 遠くから見ていた黒川が言った。飯田はレンズを望遠に操作し、唯の全身、顔、お尻、足元、と交互に撮影した。 ぶっ、ぶ、ぶ…… 一分して、排泄はようやく収まった。ブルマは汚物で膨らみ、染み出した液体がしずくとなって床へ落ちていく。唯は押さえていた手でお尻をなでた。冷たい不思議なな弾力があった。その手をおそるおそる目の前にさらし、さらに足元を見た。 「そんな……」 唯は二三歩下がり、自分の汚物に足を滑らせて転んだ。尻餅の拍子にブルマに溜まっていたものが床に噴き出した。 突然のことで唯を見つめるばかりだった選手、生徒が、唯の周りに集まり始めた。 「嫌、こないで……お願い見ないで……」 唯は頬を真っ赤にし、便にまみれた両手に顔を伏せて泣いた。 「終わったわ。いきましょ」 コートに出来た人垣を後に、黒川と飯田は体育館を出ていった。 「三田さん謝ってたわ。唯も調子が悪いんなら、言ってくれればよかったのに」 白いシーツにくるまり背中を向ける唯に、和子はつとめて明るく言った。 「わたしでよければいくらでも代わりに出たわ」 唯は何も答えない。 |
和子はさらに口を開こうとしたが、これ以上かける言葉が見つからなかった。和子はベッドに横たわる唯をそのままにして、静かに席を立ち、カーテンを閉めた。
和子の足音が遠ざかっていく。保健室の戸が開かれた。
「あ、こんにちは」
「佐倉さんの様子はどう?」
一瞬、唯の身体が震えた。声の主は黒川である。
「落ち着いてはいるんですけど。ショックが大きいみたいで」
「そうなの……」
「先輩からも励ましてみてください。それと保健室の先生、あと三十分ほどで戻りますから」
「わかったわ」
「じゃ、失礼します」
戸が閉まった。足音がゆっくりと唯に近づいてくる。唯は体を丸め、目を大きく開き、シーツの中でがたがたと震えた。
足音が止まった。
「あんなに人が見ている前で漏らすなんて。ほんと、恥ずかしくないのかしら」
カーテンが無造作に開かれた。唯の体がびくりと反応する。
「ブタと同じよね。ねえ、佐倉さん。今度からあなたのことブタって呼ぼうかしら」
唯はただ震えるばかりである。黒川は唯の寝るベッドに腰をかけた。
「ふふっ、ブタさん、男子は目を皿のようにしてたわ。きっと忘れられないでしょうね。あなたはこれから、教室で、廊下で、校庭で『脱糞した女』として見られるのよ」
唯は息をつまらせながら言った。
「……許してください……もう……許して……」
唯はついに泣き出した。
黒川はスカートのポケットからビデオテープを取りだし、枕元に置いた。
「プレゼントよ。自分がどんな姿をしていたか見なさい」
黒川は立ち上がり、保健室から出ていった。
「テープは渡したの?」
外で待っていた飯田が言った。
「ええ」
「大丈夫かしら」
「あの娘はもう逆らえないはずよ。それにわたし、最後は自分の姿だけで相手を従わせたいの。握った弱みをいつまでもちらつかせるのは趣味じゃないわ」
翌日から唯は学園を休んだ。和子が毎日家へ寄ったが、唯が学園へ行くことはついになかった。一週間後、唯は和子と数人の友人に別れを告げ、町を出た。現在はカナダの高校に留学している。
和子の元には毎月欠かさず手紙が来るという。
終わり
nanasiさんに頂きました、ありがとうございました。