「さて、喋って貰いましょうか?」
『喋』
「なんだ……これがモジカラ!」
 茉子の描いた『喋』のモジカラはヒッポリト星人・ガルムの口元に辿り着く。
「かつてシャイン星人はこのような機械で遠い第2銀河から鉄の爪を操り、地球を機械化しようとしていた、しかしジャッカーの抵抗により遠隔操作の機械を破壊され、地球への介入を断念していたのだが、この度地球から飛来した宇宙船を捕縛、マイクロウェーブ通信により、地球へ再介入し、全人類睡眠幸福作戦をはじめたのだ」

 ガルムが立体映像で見せるシャイン星人の通信機械を見上げながら話は続く。
「全人類催眠幸福作戦、だと……」
「人類は眠りの中で幸せな夢を観ながら生きる、星の運営は機械が全て行い人類の生存をサポートし続ける、シャイン星は、この作戦で全人類が幸せに眠っている。」
「そんな物が幸せだと!」
「他には?」
「ヒッポリトタールによって固めれば、眠っているのと同じ状況に出来るので、この作戦が上手く行くのか見学に来たわけだよ」
「他には?」
「スマートブレインや、他数社にこっそりと眠りに落す為のプログラムを提供した、この『悪博』内で無料提供される事になっている」
「そのアプリって?」
「睡眠波がマイクロウェーブに乗ってやって来るのさ……じゃあ、俺は帰るぜ、君たちの抵抗を楽しみに見学させてもらおう」
 自供してしまった以上これからはシャイン星人に味方できないから、撤退するという。