風花の肩越しに殻を剥いたゆで卵を摘む天晴。
「あっ! お兄ちゃん〜。」
「熱っちいな、コレ。やっぱ卵だな〜俺。」
 怒る妹に背を向けながらよくわからない返事を返す兄。
「なんでこんな時には鈍感なのよ。バカ兄貴」
 手の中の卵がグシャリと潰れた。
「あち、あちち」
 慌てて手を冷やす風花。