「あ〜、いたいた。」
「ふーかちゃん急がないと遅刻しちゃうよ!」
寝坊していた凪が走ってくる。
「ふたりとも! 何、悠長に歩いてるの?」
「遅刻しちゃうよ」
その後ろから息をつきながらやってくるカナとマリコ。
「それじゃあ、風花ちゃん。忍ばず行きますか!」
凪がウインクする。
「仕方ないなぁ」
風花は本意に反して笑い返す。
「今日だけだよ」
「ヤッ」
「ハァっ」
2人はそれぞれカナとマリコを抱いて跳ぶ。
トン
「ウプッ」
着地のショックで胃が持ち上がった。
「大丈夫? 伊賀崎さん。」
「朝ごはん食べ過ぎちゃったかも、へへへ。」
心配そうなカナに笑顔で返す。
「よっしゃ! 間に合った。」
「ありがとう。」
「さすがニンジャだね。」
「いやいや、N、J、K、ですから。ね、ふーかちゃん。」
「う……ん、うん。そーなのよ。」
風花の眼は校門横に立つ男達の方を向いていた。 |