照りつける太陽が誰の分け隔てもなく降 り注ぐ南国。
ここは青く透き通るコバルトブルーの海にぽっかりと浮かぶひとつの島。
東京都に属するこの島は、現在発売されているどの地図にもその名を見る事は出来ない。
島の名を『宇津帆』という。
人の目に触れぬようにして来たこの島には、更に不思議な事にひとつの大きな学校が存在した。誰も知らないのに誰でも知っている学校、特に中学の教員達はよく知っていた。
自分の生徒が手に負えなくなった時、あまりの成績に何処にも放り込めなくなった時……
ため息混じりにこう言うのだ。
「こんな学校があるのだが行く気はあるか?」
と……
幾つかの時代を超えてふと、誰かが気が付いてみれば、この島には生徒数およそ十万人を越える巨大学園が出来上がっていたのだった。
いくつもの秘境を、その内部に残し、十万人の居住者と共にここは今日もいつも通りの喧騒の中にあった。
混沌と自由と希望と絶望と…人の社会の縮図のすべてがここにはある。
その学園の名を『蓬莱学園』という。
「準備は良好かな?」
この明るい陽のさす学園で、ここ迄光の届かない所をよく捜した物だと賞賛が貰えそうな程暗い部屋。
数人の男女が密談をしている。
そのほとんどが学園の制服に身をまとっている事から学生であると知れる。
「人手はいるのかな?」
別の誰かがそう声をかける。彼らは皆一様に学生というには大人びた喋り方をして、どちらかと言えば政治家のようでもある
。
「その点につきましては滞りなく動いています」
円卓を囲む人物達のそばで一人の女性が質問に答えている。先程からひどく緊張して見えるのだが、それは彼女だけが一切の衣服を着ける事を許されていない為だけではないだろう。
「おやあ震えているのかね、大丈夫かい?失敗は許されないよ」
肩に金色のモールを着けたその男はそう言いながらテレビのリモコンのような物のボタンを押す。
「!」
ビクンッ
直立不動の女性の身体が強張る、無音であった室内に何処からかモーターの作動音が低く響きわたる。
「まったく、人の悪い事を…」
別の男が声をかける、だかその声には楽しむような響きがある。
「し、失敗はいたしません。必ずやお気に召す結果を出して御覧にいれます」
直立不動は相変わらずだが、身体は小刻みに震え、体中に汗が玉となって、そして汗とは違う粘液質の液体が閉じ合わされた内股を伝い落ちて行く。
「君が来たのは2年前でしたかね〜 そうP−1プロジェクトによって。その君がP−2プロジェクトを遂行する面白いね、実に面白い」
その女性は、何かを必死にこらえている風だったが、次第にうつむきかげんになった。
表情を読まれまいとするかのように、しかしそれを見つめる男達は表情ではなくもっと別の…
そう、この薄暗い部屋でその女性の陰部がてらてらと濡れている事から彼女が何を隠そうとしているのかが見てとれる
「汁が多いね、興奮しているんだろ…」
女性は更にうつむいてしまう。
「まったくそんなにその娘を苛めるのが楽しいかい?」
可笑しそうにまた別の男が問う、この男もまた金色のモールを肩に載せている。
「あなたに言われたく無いものだな」
顎をしゃくるようにして言われた男は答えた。しかし顔は笑ったままだ。
「そうかな」
よく彼の座っている円卓の下を見てみれば、全裸の少女が首に犬の首輪をはめられ繋がれているのがわかる。
四つん這いになったその少女は浅く椅子に腰かけて腰を突き出した男の深い緑色のズボンから、角のように生えている肉色の凶器を小さな口で必死に愛撫している。
「まあ彼女たちはこうしてしか生きていけないのだからしかたないさ、我々という飼い主がいなければ明日にも路頭に迷い、りっぱな高校生の格好も出来なくなるというものだ。そうだろう君!」
先程から直立不動でいた女性は全身を汗が伝い落ち、双つの胸の頂にはピンク色に色付いた乳首が痛いほど起立し自己主張している。
足下は小便でも漏らしたように汗と、もう一つの液体で絨毯を濡らされていた。
「はいっっっっ! きゃうんふぅ」
返事をしようと口を開けた瞬間を狙ってリモコンのスイッチを強にする。
と…
いきなりの刺激に上りつめた女性は、ようやく保っていたバランスを放棄して絨毯の上にその美しい裸体を横たえる事となった。
「約束事が守れないようではいけませんな」
掛けられた声にも反応する事が出来ないらしく女性は双つの乳房を荒い息に上下させ、時折ひくひくと女の匂いを発散する肢体を痙攣させているだけだ。
「無視するとは良い度胸をしていますな」
リモコンをいじりながら男が立ち上がる。
「本当に上手く行けば自由を与えると言ってあげているのにこれはP−2プロジェクトが終わってもこの女は我らの雌奴隷のままですかなぁ」
美少女に自分の一物を加えさせたままの男以外全員が立ち上がるといまだ余韻に浸っている女性を取り囲んでいく。
「今日の所はお仕置きという事で…」
「そうそうお仕置きですな」
口々にそう言うと女性の身体に取りついていく。
その時円卓では男が美少女の頭を固定して熱い精液を少女の口腔へと吹き出していた。
「飲まずに口の中で溜めておけ!」
そう言われていた少女は息が苦しくなっても、その苦い液体を飲み下す事もしないで波なみと口内に溜めていた。
「しょうがないよな、二級生徒だもんなお前はさほら」
満足げに最後の一滴まで少女の小さな口 に搾り出すとワイングラスに吐き出させる。そしてそれを手渡して…
「飲め」
…と一言いった。
男の精液と少女の唾液がグラスの中でマーブル模様を創っているわずかばかりの液体を再び少女は口に含みよく味わいながら時間をかけて飲み下した。
「ありがとうございました。おいしゅうございました…」
外見を裏切らない華麗でか細い声であった。
2年間の成果であろう、男が何かを言う前に礼を述べる習慣がついていた。
「偉いぞ」
男は今度は少女を自分の上にまたがらせ、少女の身体のそこだけが立派な女性になっている亀裂へと、一度放出しただけでは衰える事を知らぬ己自信を、沈めていく。
背後では先ほどの女性が3人の男を同時に銜え込み盛大な宴が始まっていた。
女性が体勢を崩そうが崩すまいがこの宴は彼らのシナリオに始めから書かれている事であった。
なぜなら、彼女たちは二級生徒と呼ばれている存在で、彼らの所有物であったから。
蓬莱学園は一部で『世界の縮図』と呼ばれていながら、世界中で既に否定され無くなりかけている奴隷という存在が、ここでは今でも根強く存在し続けていた…
「あっ くぅん ひあぁぁぁぁぁぁぁん」
彼女たちの嬌声が暗く狭い部屋にその後しばらくこだましていた…