蓬莱学園の淫日!




其の8


 鳳縁もまた蘭と同じように子供のオシッコスタイルに固定されていた。
「これであなたももう誰にも胸のことで後ろ指刺されることはないよ」
「お願いもとに戻して……」
 縁はもう何度その言葉を口にしたろう、譫言のようにくり返されるそれは語る側にも聞く側にも既になんの効果も及ぼすことはなかった。
「でもこれじゃ人間じゃなくて牛だね、雌牛ホルスタインだ」
 片方の乳房が既に人の頭の三倍ほどにも膨らんで、その先にある乳首からはタラタラと母乳を吹き出しつづけている様はまさに畜産家畜のようで、オシッコスタイルの脚の間からはウエストなどまるで見えない、肛門の上にオマンコがあり大きな丸い二つの乳房がすぐ上に歪みきって乗っかり、申し訳程度に顔の鼻先から上が覗くといった感じでこれが人間などと真面な神経の人なら思わないだろう。
 ジュゥゥゥゥゥゥゥゥ
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 肉の焼ける匂いと共に縁の悲鳴が会場に響く。
「家畜なら何処の牧場で飼われてるのか焼き印は絶対必需品だよね」
 お尻にはクッキリとラッコマークが焼き付けられていた。
「いやぁぁぁ、こんな事して何になるのよぉぉ」
 久々に聞く縁の張りのある声にコアラ男の瞳が輝いた。
「お帰り」
 正面から縁の顔を覗き込んで嬉しそうにお帰りなさいを言う。
「な!」
 縁に絶句させている間にコアラ男は懐から取り出した男性器を模したディルドゥを縁の女性器に突き立てる。
「ああぁぁぁん!!」
 歓喜の声が縁の喉を突いて出た。
「気持ちいいでしょ、その上母乳の出を善くしてくれるのさ」
 苦しそうに上気した頬をピンク色にしながらも気合いでコアラ男を睨み突ける。
「こんな事しても、女を自由に出来るなんて思わないでよ」
 不思議そうに首をひねると、子供に諭すように。
「嘘だと思ってる? 母乳の出は女性ホルモンに影響されるからこうやって刺激、発情させるのは一番簡単な方法なんだよ」
「そんな事を言っているのではない!」
 縁の声が大きくなる。動けないからせめて声だけでもと無意識に考えているらしかった。
「わかっているさ、でもねあなたがどう思おおがあなたの身体は既に僕の自由にされちゃってるんだよ、感情なんかいらない、いやいっそそうやって感情は反抗してくれてる方がいぢめ易くていい」
「クッ」
 目の前の男には、コウモリの羽根と、鈎の付いた尻尾が有るのではないかなどという空想が縁の頭を支配していた。
「まあ、あなたにもちょっとは会場で面白い事をしてもらおうか」
 そう、ゆっくりと言葉を切るように語るコアラ男の手の中には牧場で乳牛の催乳用に使われているモーター付のホースがあった。
「そんな物で何をしようというの」
 縁の喋る言葉には宝塚の男役のような口調はなく、年相応の女の子のらしさがある。
「まあね、母乳を搾って飲んでもらうのは右のおっぱいがあれば十分だから左のおっぱいはね」
 語りながらてきぱきと催乳機の口を左の乳首に食い付かせていく、そしてホースの先を中空になったディルドゥに繋ぐと後ろの穴に突き刺す。
「いやぁぁ、な、何で、何を」
 一気に混乱して縁が叫ぶと……
「自分の身体から出したミルクで牛乳浣腸なんて滅多に出来る事じゃないよ、あぁ でも人間だから母乳浣腸、いや人乳浣腸かなぁ、どう思う」
 一時立ち直ったかに見えた縁は既に泣き崩れる事しか出来ずにいる哀れな牝奴隷だった。
「あ、それから母乳ってゆうのは血液から造られる物でその栄養素もそこから取られている、だからこんなに体外に排出しちゃうと貧血とか大変な事になるんだ」
 ゆっくりと言い聞かせるように、その言葉のすべてを縁が理解するまでタイミングを計るようにコアラ男は語る。
「そうだから、ここでミルクを飲んで下さったお客様には申し訳ないけどその方のミルクを飲まして頂くんだよ」
 虚ろな瞳がその事の意味に到達するにはしばしの間があった。
「自分から、お願いするの?」
 今にも泣き出しそうな縁がそれだけぽつりという。
「そっ、フェラチオさせて下さいってね、無いよりましなエネルギーって感じだけどね」
 フルフルと首を振っての意思表示にラッコ男は優しく耳元で語る。
「パーティーの間ゆう事が聞けたら元の身体に戻してあげるよ」
「本当、本当に戻してくれるのね、何でもするわ、何でもする、だからお願い元に戻して」
 顔を上げて縁は哀願をした。
 カチッ……
  ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
   ゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポ……
「じゃあ取り合えず人乳浣腸始めておくね、僕は用事が他にもあるからこれで行くけど頑張るんだよ」
 ボタンを押すとホースの中を白い液体が菊門に吸い込まれていく。
「は、はいぃぃ! 頑張る……」
 必死に笑みをつくる縁をその場に残してコアラ男はきびすを返し歩き始めた、そして……
「エントロピーは縮小しないんだよ、残念ながらね」
 とのたもうた。




其の9


 胡桃沢宝はこの会場を歩き回る事が許されている数少ない牝奴隷の一人だった。
「先生こっち」
 宝の教え子でこの場に連れてきた張本人である甲斐が少し離れた所から無造作に呼んだ。
「…………」
 設営されていく悽惨な会場の様子にはらはらと涙を浮かべていた宝は引きずるように甲斐の所に歩き出す。
「あぁ!」
 声を上げると足が止まってしまう。
  ポトッ……
   ポタッ……
 敷きつめられた絨毯の上に氷の塊が落ちて、宝はせつない表情を甲斐に向けた。
「はしたない、それでも先生なんですか?せっかくの絨毯が汚れてしまったじゃないですか」
 そう言われてもまるで卵を産むように宝の女性器は氷を吐き出し続け内股を冷たい液体で濡らしていく。
「ここまで来てからですよ、氷を出すのは」
 甲斐はそう言ってグラスをかざして見せる。
「は、はい」
 ゆっくりと甲斐の所までやって来るとオズオズと両の脚を開いていく。
「どうぞ……」
 言葉とは裏腹に、ここに到達する前に統べてを吐出した宝の女性器は、氷をコップに落とすことは出来ず、ただ淫液のみを溢れさせ甲斐の表情を硬くさせた。
「あぁ…… 甲斐君、御免なさひぃ」
 宝の言葉に甲斐は乳首を握り潰す。
「あんたはほんとに先生なのか?記憶力ってもんが有るのかよ!」
「あぁ! 申し訳ありません、申し訳ありません…… 御主人様」
 宝の謝罪に満足した甲斐はやっと乳首から手を放した。
「そう、それでいいんだよ」
 ちなみに今の宝の格好はラバースーツでウエストを締め上げられて腰の後ろの腕輪に通された両腕は固定されていた。
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ、これ持って」
 言うが早いか、ラバースーツのヘソの辺りにあるフックにお盆の端を引っ掛けてから、お盆の左右に附いている紐の先の釣り針のようなものを、左右両方の乳首に刺すと手を放した。
「ひぃぃぃぃぃ、キャァァァァ、イヤァァァァ痛い、いああぁぁぁぁぁぁ」
 乳首から伝って血がお盆の上に滴れる。
「五月蠅いよ、先生」
「はい、申し訳ありません、御主人様」
 痛い胸に冷や汗をかきながら謝罪の言葉が直に出る所を見るとこの半日で骨身に沁みるほどの調教が施されたらしかった。
「これを置くこと」
 ドンッ
「ヒッ」
 無慈悲にお盆の上にはロックアイスと宝の破瓜の血で染められたアイスキャンディーを納めた小型のクーラーボックスが乗せられる。
「ほら、脚を開いて」
 甲斐は宝のまだ初々しい開かれた女性器 にクーラーボックスの中から取り出したロックアイスをゴリゴリと埋めていく。
「くっ…… ありがとうございます、御主人様」
 甲斐は更に年代物ウイスキーのボトルをお盆の端のフックに引っ掛けると宝の肛門に蘭蘭の肛門に使われていた二又の栓を押し込む、そしてウイスキーのボトルの口へ吸い上げ用の側にあるチューブを刺し込んでモーターのスイッチを押すのであった。
 コポッコポコポッ
「……………!!!」
 アルコールの熱さが腸壁に染み渡り女性器の奥の氷と相まって表現を越えた感覚が薄い肉壁の前と後ろで責め木あっていた。
「ウイスキーが飲みたいお客様には、ロック、ストレート、水割り注文通りにお出しするんですよ、先生」
「は、はひぃ」
「氷にしたって無くなったら自分からおねだりして入れてもらうんですよ」
 千切れそうな程痛々しい乳首の釣り針を刺激しながら甲斐は念を押していく。
「はい、御主人様」
「付いて来いパーティの時間までもう少し鍛えてあげますよ先生」
 そして甲斐は会場を横断すると再び無造作に宝に声をかける。
「先生こっちだ」
 一人取残された時にはまわりの凄惨な光景に涙を見せる宝も、声をかけられると、まるでパブロフの犬のように声の方向へと動き出す。
 そして甲斐は充分理解していた、この時宝の身体の中は先程声をかけた時よりも数段辛い刺激に苛まれている事を。
「さて絨毯を汚したお仕置きは何をしてあげようかな、ねえ先生」
 甲斐は、この計画が終わった時払い下げられる事になっている、その年上にも関らず年下のような華奢な身体を持った女性を、愛おしく想っていた。




其の10


 会場を入り口から覗いてみると、空調が効いているにもかかわらず熱気が充満している事がラッコ男にもわかった。
「やっと準備が終わり、後は売り物の搬入か俺には関係ないな、ひとまず退散させてもらおうか」
 そう一人ごちて彼は、今会場で凌辱を受けている娘達を罠にかけた所まで戻っていた。とはいえ森の中なので分かりずらいが地下で繋がっているうえに百メートルと離れてはいない。
 そして調理室の床にある野菜倉庫を開けるとその中で気を失ったまま縛られている女生徒を寝袋のような袋に詰めて運び出した。
「さて実験をしましょう、これが俺の報酬でもいいですから」
 彼は廊下を歩き始めた、すれ違う者もここでは誰も彼に気を止めた様子はなかった。

 彼の腕の中には藤堂光がいた。




其の11


 斉条若菜はおそらくは徒労に終わる、昨晩から既に何軒回ったかわからない聞き込みに、辟易しながらも女王様の命令を守っていた。
 渡された写真の女性の事を悪徳大路内のカジノや裏の性愛研関係のお店を中心に回るよう言われていたので、その店内の見通しがことの外悪そうな店ばかりを聞き込みに回っていた。
「邪魔をする」
 聞き込みの時は若菜も公安の顔になる、いやいつもはこの顔でいるのだがすぐメッキがはげる。
「へえ、いらっしゃい」
 揉み手をするように出てくるその男はこの店にマスターらしかった。
「何でございましょうか、この店は御上の法を曲げるような商売はしておりませんが」
 言った端からわかるような嘘をマスターは事もなげに言ってのける。
 若菜も心得た物で、マスターの言葉には耳もくれない素振りで店内を一瞥する。
 狭い敷居で幾つにも区切られて、その上音が妙に反響し照明は暗め、各囲いの中だけは結構明るいような気配はある。
 そして、女性のひきつったような嬌声に何か異様に興奮した男性の賎らしい笑い声が被りこの上もなく淫猥なムードが肌に直接アピールして来るもしかしたら何か薬も撒いているかもしれない。
「で、今日はどの様な御用向きで」
 さすがに後ろめたい事の多いマスターは焦れて来る、ここ迄回って来たどの店でも対応は似たり寄ったりである。
「二級生徒を使ったりしていないか、届け出がなされていなければ取り締まりの対象となるが…」
 ボソリとつまらなそうに語る、それだけで相手は慌てる。これもこれ迄通り、そしてここで写真を出す、これで相手は強力的になる。
「この女の事を知りたい、何か知っている事はないか」
 懐から一枚の写真を出す、このあたりで撮られた物らしく蓬莱学園の制服に身を包んだ女生徒が写っている。
「名は夢野香穂、当然一般生徒じゃない」
 いったいこれを何処で手に入れたのか、ヘレンというあの性愛研部員は侮れないと若菜は思う、ましてや自分の恥ずかしい写真まで撮られて今では公安の仕事してではなく彼女の手足となって行動している。
 でも結果として公安の仕事も完う出来るのだから今は全力を尽くそうと彼女は考えてはいる。
「ここでは何ですからちょっとこちらへ」
 今までの店ならここで必死に悩んだ挙げ句わからないので袖の下を渡して来るだけだったのだが、ここに来てどうやらやっと手掛かりになりそうだった。
「ほう、知ってるわけ、じゃあ聞かせてもらおうかしら」
 その時マスターはヘコヘコと頭を下げながら、
「こちらへ、内も公安さんにべらべら喋った事がバレたら色々まずいんで……」
 そう言って奥へと案内した。
 この時若菜がもう少し注意していればそれが不自然な行動であったと解ったかもしれない、だがここでも若菜の人の良さが災いしたのだ。
 その部屋に入った時、下っ端とおぼしき男が肌の露出が多い金髪の女生徒をソファーで押し倒して、いざこれからという瞬間であった。
『キャア』
「うわぁ」
「何商品に手を出してやがんでぃ」
 という声が同時に室内に響き
「すいやせん店長!」
 室内にいた下っ端が情けなさそうにズボンを直すとソファーの上の金髪の女生徒の尻を叩きながら外へ逃げ出す。
「お客人に茶でも出さねえか」
 マスターは今度は下っ端が通り過ぎる時に頭を小突いて指示を出す。
「申し訳ありやせん、教育が行き届いてなくて」
 ヘコヘコと頭を下げたと思ったら素早い動きでソファーの埃を落とし若菜に座るように進めるマスター。
「いえ、別にかまいませんが」
 取り合えず冷静に見せている若菜だが、マスターはこの部屋に入った時上がった女性の悲鳴が一つではなかった事に気が付いていた。
『この女は噂通りの未通女だったというわけだ』
 などと考えていた。
「今の、確か最近噂の銃士隊員で名前はレイティアとかいった……」
 その名前がすらすらと出てきたのにはマスターはちょっと驚いて。
「よく御存じで、まあそれも噂です本当はこうやって宣伝の為にやってるんで実はうちの従業員なんですよ」
 なにか裏切られたといった顔をしている若菜にマスターは続ける。
「何処でも犯ってくれって五月蝿くて、まあ商売敵は減ったんで活きのいい下っ端にお守りさせてるんですよ」
 スラスラと語るマスターの言葉に耐えられなくなった若菜が話題を変えた。
「で、どこにいたかわかってるの」
 少し慌て気味の若菜を制するように先ほどの下っ端がコーヒーを煎れて戻ってくる。
「まあ、落ち着いてコーヒーをどうぞ、良い物なんですよ」
 マスターの言うようにこんな場末の専門店でもない所でお目にかかるような代物ではなかった。
「儲かっているみたいね」
 この位の事は若菜にも言える。まあ相手の方が切り返しもそれなりに巧い。
「今日はその話は無しにしましょうや、お互いに痛い所は言いっこなし、情報を持ち合って仲良くやらねきゃこんな街じゃ息苦しいですよ」
 そう言って自分のカップの香を嗅いで口を着ける。
「あたしはこいつだけが楽しみでね、厭な事があってもこのいいコーヒーの香を嗅いだらすーっと気分か良くなってくるんで」
 若菜は言われるままにその芳しいコーヒーの香を吸い込み一口口につけた、普段ならしなかったかもしれない、でもこの時は緊張の連続が喉に水分を補給しろと訴えていた。
「あっ」
 ガッシャーーーン!!
 身体が痺れて動けなくなっていた。
「もう少し警戒しないかなあ、あんたやっぱり噂通りのボンクラだわ」
 制服の胸元をこぼしたコーヒーで染めた若菜を見下ろすように表情をガラリと変えてマスターが見下ろす。
「うぅぅぅ、なぁぁぜぇ」
 ひくひくと痙攣している若菜の隣に腰かけたマスターはおもむろに自分のズボンのチャックを開けるといきり立った逸物を取り出した。
「簡単、簡単、俺たちゃぁ公安がでぇええきれぇなんだよ」
 身体の自由が利かない若菜の頭を押さえてパクパクとふるえている口を逸物に向けて被せていく。
 ガボッ
  グシュッ、グシュッ、
    グシュッ、グシュッ、
「おら、公安委員様の尺八だぁ」
 激しく若菜の頭を上下させて自らの下半身に快感を送り込む、プロの技ではなく弛緩状態で舌もほとんど動かせない状態の口腔内に無理矢理擦り付けて快感を搾り取っているようだ。
「くうぅぅ、
   イカすぜ
      行くぜ!」
 ドクン……   
        ドクドクドクン……
 ひとしきり叫ぶと若菜の頭を自分の股間で固定して欲望の白い液体を若菜の喉へと流し込んでいく。
 口の端から欲望の残り滓をたらたらと垂れ流しながら若菜は肩で息をしていた、これから起こるであろう事を想像すると恐ろしくなのだが、まだ力は帰ってこない。
「良かったよ、若菜ちゃん」
 最後の一滴までも若菜の口腔に塗り付けるようにしてマスターはとんでも無い事を言った。
「な… かほっ…  なっまえ……」
 痺れる舌を必死に動かしそれでも言葉になったのはそれだけの言葉だった、そして三人の男達が入ってきた。
「いやぁ、若菜ちゃんがこの辺でいろんな事嗅ぎ回ってるのは知っていたのです、噂にも成ってましたしね、だから罠を張りました、ってほどのもんじゃなく待っていたんですよ」
 マスターはニコニコしながら言いポジションを三人の男と入れ替わった。
「こいつらはこの店専属の調教師なんだ、若菜ちゃんの事をこれから売り物にしてくれるんだよ」
 言葉で若菜をいたぶり、そして三人に耳打ちをする。
「こいつはバージンらしい、だから口の使い方を教えてやれ」
「わかりました」
 男は自分の逸物を若菜にくわえさせた。
 もう一人が若菜のスカートの中から下着を剥ぎ取ると小さな肉芽をむき出しパールローターをそこに当てる。
「クウ!」
 男の分身が詰まった喉の奥で過敏に反応し、悲鳴が上がった所で三人目が胸の先を摘んで愛撫をはじめていた。
 三人の男の嬲りは絶妙で若菜はあっという間に昇り詰めようとしていた。
「いかしてほしいだろ」
 耳元で甘く囁く声にぷるぷると首を振るって抵抗する若菜はこの時焦燥感を煽られる。
「なんで」
 三人がいっせいに離れたのだ。
「やめてほしいんだろ」
 もじもじとうつむいて何も答えない若菜に再三取り付いてはいきそうになる直前でやめるを繰り返す、そしてついに……
「いかせて、気が狂いそうです」
 ニマリ……
 男達は音が見えそうな表情を造った。
「お願いの仕方も知らないのか」
 ひとりが残酷に耳打ちする。
「わたしはスケベで淫な公安委員の斉条若菜と申します、このままでは気が狂ってしまいそうなので気をやらせて頂きたく思います、そして皆様のミルクを飲ませて下さい」
「よく言えました」
 三人はいっせいに同じ作業に取りかかると若菜を追い上げて行く、切羽詰まったていた若菜はあっとゆう間に昇り詰めてしまった。
 ドクンッ
  ドクドクンッ
「飲みほせよ」
 同時に若菜は喉の奥にザーメンを流し込まれ、吐き出す事も出来ないで再び飲み下して行く。
「ゲホッ うげぇぇ」
 昇り詰めた余韻に浸ることも無いまま飲み込んだものを嘔吐していると。
「よくやった、だがまだまだ行くぞ」
 男達はすぐさま役割を入れ替え再度若菜を追いあげて行く。
「何度でも行くぞ、身体で男の楽しませ方を憶えろ」
 若菜はなにが何だかわからなくなる迄その行為を繰り返しさせられた、そして必ずいく瞬間にザーメンを飲み込まされ身体がそれを憶えていく。
「クウ!」
   ビクン、ビクン、ビクン
 若菜の身体は何時しか男の物をくわえてザーメンを飲むといくようになっていた。
「見事な物ね」
 永い永い調教の後、香穂が現れた。
 その後ろには、裸身を革のベルトで拘束されたレイティアが銃士隊の証しのマスケット銃を腰のベルトにぶら下げ、羽根だけを髪に挿した姿で先ほどの下っ端チンピラに嬲られながら立っている。
「二人とも貰っていくわ」
 レイティアと若菜を棺桶に詰めて香穂は悪徳大路を後にした。




其の12


 悪徳大路に情報は行き渡った、ヘレン・アラワードというこの地を庭のように思っている女にとって、それこそ朝飯前の作業であった。
 噂は千里を駆ける。
 いわく……
「人身売買組織の競りの場所を公安の落ちこぼれ斉条若菜がつかもうとしている、この分だと別動隊はその位置を特定しているかも」
 という物で、甚だいろんな人物を馬鹿にしたすばらしい噂であった。
 で狙い通りそれに食いついた者がいて後をつける事にする訳だ。
「あの店、今度査察入れなきゃ駄目ね、独立採算が性愛研の売りでもこっちを裏切るのは許せないわね」
 と言う事になるのである。
「あの女、本当は受のはずだな」
 若菜が持っていたのと同じ香穂の写真を見ながら。
「向こうで良い目に会わせてやる、覚悟しろよ」
 物騒ことを言い、ヘレンは悪徳大路を抜け、鈴奈の森へと香穂の後を付けていく……
 誰にもその姿を悟られることなく。




其の13


 ヘレンの流した噂のもう一方、若菜よりも優秀な公安の方々はどうしていたのかというと、実は若菜を囮に行方不明者を追っかけていたんですねぇ。
 本当の所ヘレンにはその動きも見えていたから噂に使ったのだ、情報に信憑性を持たせる為だ。
 委員会センターの公安委員会ではようやく餌に食いついた敵さんに感謝を込めて出動の準備に入っていた。
「みんなーいつもの捕物だ、そこにいるのはただの犯罪者、だけど発砲は極力避け生きたまま捕縛する事、背後関係を知る為にも肝に銘じてくれ」
 飯田姫莱(イイダ・キラ)は自分が指揮する部下達に鼓舞するように声をかけた。
「ハイ!」
 即座に揃った女の子達の声が返ってくる。
 姫莱の指揮する部隊は女性だけで構成された『WHERP』と呼ばれる部隊で、銃撃戦も難なくこなすアタッカー中心の部隊である。
 そこに一人の男がやって来る。
「姫莱君やっているかい」
 寄り添うように姫莱の脇に立つと腰に手を回してくる。
「課長…… 頑張っています」
 パシンッ
 よく響く音を立てて課長の頬がなる。
「成果を出せばよろしいのでしょ」
「くう、こんな事をしてだから君は上の受けが悪いんだ」
 腫らした頬を押さえながら課長は毒突く。
「セクハラは良くないですよ課長、訴えられちゃいますから」
 周りから笑い声が上がる、姫莱もまるで汚いものを見るかのような目で男を蔑みより一層男が居ずらい雰囲気を作っている。
「これから出撃ですので」
 通り抜けて外へ出ようとした姫莱の後ろから更に負け犬の遠吠えが響く。
「このミッションをわざわざGESUTACOから回しておまえ達オカザリ部隊に持って来てやったのは俺なんだぞ」
 『WHERP』は外見で選んだように綺麗な隊員で構成されていた為に秘書課と言われていた事もあったのは事実だ。
 次々に男の脇を通り抜け出撃していく隊員達はこのチンケな男など既に眼中になかった。









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