第一話「復讐」
その年のはじめに国王が崩御されて、第一王子が王権を相続それに伴い王子による風紀粛正の波が吹き荒れる事になった。
そして女性を調教しては売りさばく事を生活の糧としていた男はついぞ国を追われる事になるのだった……
「まったく王家って奴等は気まぐれでいけないな、今までは俺達が調達した女達の買入先は半数は王城だったのにな、何もなかったって事なのかい?」
独り言のように今までの生活を手放さなければいけなくなった男は呪詛を吐く
「まったく、王子だって性奴の2、3人は買ったくせしやがって……」
だからこそその証拠を握る彼等が邪魔なのでもある、風紀粛正の詔が発布されて3日目には王都から調教師はいなくなった……さらに3日で近隣から駆逐され、さらに3日たつと国内からその影が消えていた。
「何人生き残ったか……」
男はボロを纏って隣国へと逃げ延びた……目の前で何人もの調教師が捕縛され裁判も開かれずにその首を落とされた……。
「首が別れちゃ再生の呪文も効かないからな……」
そして、それらは3日の後には骨も残らぬように処分されたという……
男は復習を誓う、必ず自らを放逐し追い落とした故郷へ帰りそして王子の……いや新王の首を盗る事を……
「俺達闇の傀儡師を敵にまわしてただで済むと思うなよ……」
彼等は人の心を操り従属させ、そして隷奴と化すこの時代トップクラスの調教師の事を畏怖の念を込めて『傀儡師』とよんだ……
男は隣国に入り、一時の住まいとする事を決めるとまずは地盤固めをする為に何人かの性奴を作り上げこの国のオークションへ出す事にした……なにはなくとも自分の実力を見せなくてはならないからだ、出なくては復習などはいつ出きるとも限らない。
新しいこの国は、冒険者と呼ばれるならず者が街中を闊歩しているものの治安は良いようで、露店などが多く立ち並び南方の果物や遠い海の幸なども豊富にあって商業も盛んなようであった。
「こういう町なら富んだ人間が多いからな……かならず性奴は売れるものだ……」
男がこの町が自分に都合のいい町であると確信していた時路地から出て来た女とぶつかった。
「痛!」
倒れたのは男の方だった、しなやかな筋肉に包まれた長身の女剣士は何かにぶつかったのかな?といった感じで男を見下ろしていた。
「悪いね、見えなかったよ……」
そう言いながら彼女は手を伸ばして男を立たせると
「しかし、きったないカッコウしてるね、追いはぎにでも会ったのかい? そいつは運がなかったね……」
いきなり男の風体を笑った、国を逃げ出すために必死であったからボロなカッコウではあったが……
「はい、一時の足しにでもしてくれ、転ばしちまったお詫びだ」
その女は懐から金貨を取り出すと男に握らせ、颯爽とその場を立ち去っていった……
「ぐ……俺に……俺に……施しだと……バカにしやがって……第一の奴隷はあの女に決めた……この俺にこれだけの恥をかかしたのだ、恥ずかしい思いをしてもらうぞ!」
男はそう呟くと女剣士の去っていたった方向を睨み付けていた……彼の手には目に見えないくらい細い糸が握られていた。
彼女はこの町内に一件屋を構えているらしく一つの家に入ってく
「ただいまぁ今日は元気だったかフィル……」
彼女には病弱の弟が一人いた。
「お帰りお姉ちゃん……今日はいい事でもあったの?」
ベッドにいる事の多いフィルだが姉の帰る日は料理を作って待っている。
「今回の依頼主がいい人でさ、余分にお金を払ってくれたんだよ、はい今回のお仕事代だよ」
彼女は冒険者として商人の護衛や近場の遺跡探査などに出かけるが仕事だ。
「それは良かったね、じゃあしばらくは町にいられるの?」
嬉しそうにそう問うフィルに申しわけなさそうに
「いや……その人に気に入られちゃったらしくてさ、うちのパーティーがさ……二日後にはまた行かなきゃいけない……」
「そうなの、気にしないで僕も最近は調子がいいし……お姉ちゃんにいつまでも甘えてたら男として情けないからね」
そう言いながら下を向く弟に対して、彼女は抱きしめて
「ずっと私が養ってあげるよ、あんたは身体が悪いんだから何にも心配しなくてもいんだからね……あんたは何も悪くないんだから下を向かないの!」
彼女の気がかりは内向的な弟の性格もだった
「それじゃあお姉ちゃんがいつまでたってもお嫁に行けないだろ……」
それがいまのところ必死なフィルの物言いだった
「誰が私みたいな恐い女嫁に貰うのさ……気にしなくていいんだって」
二人きりの姉弟はお互いの存在を確かめ合う事で生きているのかも知れなかった。
次の日、女剣士は次の仕事のうち合わせに行く為に早起きをしようとして寝過ごしていた……
「ん……ふう……これは寝坊だな……まあいいか……交渉ごとは私の仕事じゃ無いし……」
ぼうっとした意識でそんなことを考えていた彼女は家の中の気配が変な事に気が付いて飛び起きた……
「フィル!」
慌てて自室を駆け出すと、フィルは居間の椅子に腰掛けたままこちらを向いている
「あ……大丈夫ならいいんだけど……」
一瞬力を抜きかけて、その異様な気配に気が付く
「誰?」
『たいしたものだな……剣士としての腕前は良いのかもな……だが……』
その声はどこからともなく聞こえそして、フィルの首が絞まる。
「ぐっ……」
「フィル! 誰なの!止めなさい!」
慌てた声であたりを見渡すものの部屋の中には他に誰もいない。
『止めて下さいだろ、死んじゃうよ弟君がさ……』
「やめ……止めて……下さい……」
屈辱の色に顔を染めて彼女はその言葉を言うしか無い
「何が目的なの……」
『ふむ話が早いね……まずは下着を脱いで……』
突然のその言葉に彼女は戸惑う
「なにをバカな!」
「ぐぐぅ……」
彼女の怒鳴り声と同時にフィルが悲鳴を上げる。
「わかったわ! 脱ぐわよ、脱げばいいんでしょ!」
彼女はしぶしぶと脱ぐ
『次は普段の鎧をその上に着るんだ』
「な……」
「お姉ちゃん……ごめんね……僕の所為で……」
フィルの首には何か細い糸のようなものが巻き付いている、そしてその先は見えない、かなり細いものだ、さらに何かを手に握らされている。
「いいのよ……フィル、こんな時に助けてあげられないお姉ちゃんを恨んでもいいのよ……」
『美しい姉弟愛も結構だが早くしないと弟君の首が締まってさらに……切れてしまうよ……』
「わかってるわ、着ればいいのでしょ」
彼女の使っているライトメールは、ビキニメールとも呼ばれ女性専用の動きを重視した軽い鎧で露出面が多い割にマジカルコーティングされていて防御力は高い
『当然下着は付けちゃダメだ……くくく……いい眺めだ』
その声はいやらしい響きで彼女の着替えを眺めているらしかった。
「どうこれで!」
股間は前垂れがかろうじて隠す程度で少しでも動けば下着がないのが見えてしまう。
『いいよ……では弟君に尻を付き出して尻の穴に彼の持っているモノを刺して貰うんだ』
「な!」
「ガハッ」
彼女の叫びを予見していたようにフィルの首が締まった。
「やります!やるからフィルには手を出さないで!」
彼女は必死だった、たった一人の弟を守るため彼女には出来ない事など無いと言うように
『いいねぇ……だが次に逆らったら弟君の首が落ちるよ……』
その脅しは彼女には最高の脅し文句であったろう
「はい……」
「お姉ちゃん……僕いやだよう……お姉ちゃん……」
フィルは泣きながら目の前に突き出された尻に握らされていたモノをあてがっていく
『ふふふ……そうそうその穴のあいている細い方をお姉ちゃんの尻の穴に入れていくんだ』
「フィル……こんな汚い事をさせてごめんね……フィル……必ずお姉ちゃんが助けるから……早く……早く終らして……私も恥ずかしいから……」
フィルはこんな弱気な姉をはじめて見た気がした。
「うん……」
ゆっくりとそのものを刺し込もうとして
「くっ」
「ダメだ……入らないよ……」
いくら入れようとしても、そしてそうさせようとしても経験の無い二人に出来る行為では無かった。
『そういう時はね……尻の穴を舐めてあげるといいのだよ、弟君……さあ……』
「いや! バカな事を」
「ぎゃ!」
その破廉恥な行為に対して彼女はつい抵抗してしまった。
「ごめんなさい! ごめんなさい……フィルを殺さないで……」
『私はバカな娘は嫌いだよ、こんど逆らったら弟君の首を落とすと言ったはずだが』
背後からフィルの窒息しそうな気配がまだ続いている、声の相手は本気だった。
「ごめんなさい、なんでもします! だからだからフィルを助けて!」
『もう一度は……無いよ……』
ようやく首の糸が緩むと
「はあはあはあはあ……げほっげほっげほっ!……はあはあはあはあはあはあ……」
フィルは咳き込みながら必死で息を吸っている。
「フィル!大丈夫……大丈夫なの?」
首を後ろに向けて必死にフィルの様子を窺う、発作では無いらしい……
『さあ……舐めて通りをよくしてから刺してあげなさい……』
「んっ……」
声に言われるままにフィルは姉のアナルにキスをして舌先を突き出しその襞全てに唾液を塗していく……
「ああ……フィルごめんね……フィル……」
無限に続くように思われたその時間がいったいどれ程の長さだったのか彼女にもフィルにもわからない、ただフィルが口を離した時唾液が糸となって彼女のアナルとフィルの舌の間に橋を作った。
『愛の成せる技と言うことかな?……もっとももう一方も濡れて来ているみたいだがね……』
声に反応して彼女は真っ赤になった。
『弟に尻の穴舐められて感じちまったのか? まったく淫乱な女剣士様だな!』
フィルは目の前に突き出された彼女の尻の穴の下で女である姉の部分がしっとりとして来ている事を目撃してしまった事に後ろめたささえ感じていた。
『まあいい、刺してあげなさい』
そしてようやくその管が刺し込まれた。
「ああ……なに!なんなの入って来るわ……何……これ……いやぁ」
女剣士は初めての感覚に泣き悶える事しか出来無かった……
『これが浣腸というものだよ……お腹の中を綺麗にする行為さ……その管の中には水分4割1分、油分5割8分ってクラゲが入ってる……まあ限りなく水に近いんだが浣腸液としてはこいつが全自動で暖かいとこに移動しようとする性質のおかげでな』
なにやら説明されているものの彼女には何がいいたいのかわからなかった
『しばらくすると卵を産んで親の方は窒息死してしまうのだが……ここまでに品種改良するのにどれだけの時間と研究が……』
まだ語っていたらしい……
『質量にして半リトほどだ……大した事は無いぞ……』
フィルの手の中でその管がうねうねと動きどんどん姉の中に入り込んでいるのが理解できた……
「お姉ちゃん……」
涙を流しながらフィルは姉を呼び、そして姉は脂汗を流しながらも平気と言うしか無かった。
『もう終る頃だろうな』
もともと自分で入れ方を調節出来るものでは無くクラゲ任せのため責めている感覚が少ないらしい。
「これで……いいの……」
管はもう動いていなかった、力無くダランと彼女のアナルにぶら下がっているだけだ。
『抜いて上げなさい弟君……』
フィルは急いでその管を抜いた、今にも逆流しそうだった肛門の括約筋が必死でその仕事をして体内と体外を物理的に隔離している
『さて……外出の予定だったのだよね、そのカッコウのまま仲間のところまで行くといい……』
「このまま、……そうしたらフィルを開放してくれるのか……」
お腹の中でクラゲに含まれる油分が刺激となって急激に駆け下ろうとしていた。
『ああ……今度の冒険の打ち合わせが終るまで排泄を我慢出来たら君の勝ちだよ、弟君は開放しよう』
「約束して……絶対開放するって」
脂汗を浮かべながら彼女は必死に約束させようとしている
『約束しよう……君が勝ったらね』
彼女はそれを聞くと立ち上がって
「フィルもう少し我慢してね……私が助けてあげるから……」
「お姉ちゃん……僕が僕がだらしないばっかりに……ごめんね……ごめんね……」
珠の涙を流すフィルに無理に作った笑顔を向けて彼女は出て行った……
「おねえちゃん……」
『君のために無理をする姉は美しいと思わないか?』
それまで姿を見せていなかった男が声とともに現れた。
「あなたが!」
「そう私が……君を縛り君の姉を苛めている本人だ」
「何故! お姉ちゃんを!」
身体も気も弱いフィルにしては最大限の抵抗であるかもしれなかった。
「君の姉上は美しいからさ……」
「なに?」
今まで姉の事を美しいと言ったものなど無かった……それは剣士として強いが故の事だったかもしれない、がフィルの前で姉を美しいと言ったのはこの侵入者が初めてであった……
「君も君の姉上を助けてあげたいと思わないかね? 生活の苦しさから少しくらい開放してあげたいとは思わないかな?」
「ぼくは何も出来ないから……」
下を向く……
「君のここで……元気付てやるのが大人と言うものだ……」
フィルの股間から元気の無いペニスをつまみ出すと男は糸で少し細工をするとたちまち元気になっていく
「あなたは……誰なの?」
「傀儡師……そう呼んでくれ」
心を操って初めてこの称号は意味を持つと言うものだ……そう嘯くと彼女の向かった先を見つめる。
いつも歩いているこの道が永遠に付かない迷路ではないかと考えてしますほどに彼女の腹痛は大きくなっていた。
「あとすこし……あとすこしで……いつもの亭だから……」
いつもの亭は所謂冒険者の宿と言うもので彼女の仲間も町に家を持たないものはそこを常宿としている。
「ああ……くるしい……」
はじめは回りの視線が下着を着けていない彼女をバカにしているように思えて仕方無かったが、いまはそれを気にする余裕が無かった。
ドンッ!
「ごめんよ」
通りすがりの町人が肩をぶつけただけの振動で彼女は顔面蒼白になって歩く事すら出来なくなってしまった。
「ああ……ああああああ……そんな……そんな……」
いつもの亭はもう通りを渡るだけの距離だった、彼女はその距離を動けなくなっている
そして、いつもの亭で彼女を見かけた仲間の一人が出て来て
「何やってるんだ?」
ポン……
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
通りに彼女の悲鳴が響き渡り
ぶばばばばばばばばばばばばばばっばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば
「見ないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
彼女の足もとに怪しい色の液体が広がっていた……
つづく