第四話「儀式」



　騎士の振るう剣が唸りを上げ、大地に魔者達の血を吸わせるの大した時間はかからなかった。
「助け……が……」
　ちゃんとした剣技を持つそれら剣光の軌道がアイシャに安心を与えた……だからそのまま意識が闇に飲まれる事を任せたままにしたのだ。
「大丈夫ですか？」
　プリンセス・プリシラがその場に到着した時にはトロルもオークも数を減じた後生き残りも逃げ出していた。
「可哀想にこんなに幼いのに……」
　意識を失って騎士の一人に抱き上げられているフローライト見ながらプリシラは呟く
「魔導師のようです、外見通りの年齢かは判別が付きかねますね」
　騎士は世間知らずのお姫様に魔導師の事を少しくらいはとのつもりでも会ったのだが
「魔導師でも関係無いじゃ無いですか、こんなに血を流して……可哀想……」
　世間知らずではあるものの、人のために流す涙を持ちあわせているあたり、この姫は健全に成長していると言えるだろう。
「生き残りもいないようですね、どうしましょう？」
　騎士のその言葉にはこのあと外交のために赴く国にこの二人を連れていくわけにはいかないのではないか？との示唆が暗に込められている。
「国に戻ってから……もう一度出かけるというわけには……」
　兄が王位を継いでから初のまともな外交特使であり、そのために王家の自分が選ばれたことはプリシラも自覚していた、だから
「助かったぜ……ご助力かたじけない……」
　生き残りに見える重戦士らしい人物がのそりと木の影から起きあがった時は一同に安堵の息を漏らしたものである
「怪我の治療を！　それから彼等に馬か馬車を！」
　騎士に早速そう命令してプリシラは自らの手で治療薬を取りに馬車へ走っていく
「ホントに……助かった」
　自重気味にそういう重戦士に向かって騎士は
「何があったんだ、尋常な状況とも思えないが」
　重戦士は俯いたまま首を横に振るしかない
「はじめての事だらけでよ……」
　騎士は重戦士が泣いているのかと思った、が事実はそうでは無かった
『そうか……あの姫は外交で外に出る……ふふふ、私はついているね……』
　傀儡師にとってはありがたい状況だった、手始めの三人の性奴にプリシラ姫加える事が出来るとは……今の彼は歓喜に打ち振るえているといって良かったろう、モンスターによって完璧に尊厳と抵抗を奪い取る予定でいたものが、とんだ邪魔が入ると一瞬は思ったものの、これ以上は無い宝物だった。
「向こうに着いたら馬車は返しに窺います」
　姫から馬車を一台借り受けた重戦士は馬車の中に生き残った二人、アイシャとフローライトを乗せ何度も頭を下げてから出発した。
「気にしなくていいのですよ、それよりもお仲間を大事にしてくださいね」
　屈託無く送り出して
「では我々も急ぎましょう、多少は遅れてしまっているかもしれないですね」
「あの連中廃業だろうな……」
　騎士は遠ざかる馬車を見ながらそう呟いた、護衛の失敗だけなら違う町で復権も出来るかもしれないが、心の傷は大きいように見受けられた。
「何をいうのです、女は強いのですよ！　今まで男達に混じって戦って来たあの人達はきっと復活します！」
　姫は無条件で女性の味方だった。
「何か根拠でも？」
「いえ……何もありませんが……」
　プリシラはこの時また彼女達に会えるのではないかと想像していた、それは国外という開放的な状況が冒険に憧れる一人の王族に見せた夢に他なら無い、がその予想はもっとも悲惨な形で現実の物となるのである……

「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」
　アイシャを遠くで呼ぶ声が聞こえる、そして彼女自身もその声に呼び覚まされるように一気に現実へと帰還をはたした
「ここ……ここは……どこ？」
　気が付くとみすぼらしいベッドの上にいた、そして廻りの状況に
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
　商人の持っていたビデオクリスタルか部屋中にアイシャの排泄シーンを写し出していた、いくつもいくつも一体いつから集めていたのかわからないほどその数は多かった。
「お姉ちゃん……気が付いたの」
　その映像の向こう側からアイシャを現実に引き戻したフィルの声が聞こえる
「フィル！　どうして？　これは何なの」
　うろたえるアイシャに落ち着いた声のフィルが近寄ってくる
「大丈夫だよお姉ちゃん、あの商人の持っていたビデオクリスタルは全部ここに在るから、それにねこれ凄いマジックアイテムなんでしょ？これを売ればもうお姉ちゃんは危ない仕事に行かなくていいんだよ」
　何を言っているんだろうとアイシャは訝しむ……そして現れたフィルが全裸でしかも股間には以前よりも更に長大な逸物が屹立していた。
「きゃぁ　フィルあなたまさか　まさか……」
　アイシャは救われていない事に身体を硬直させる
「まさかって何？　お姉ちゃん……僕の顔に何か付いてる？　嫌だなあそんなに『怯えないでよぉ』」
　最後にはいつも聞こえるあの声に代わっていた
「フィル！フィル！フィル！……フィルをどこにやったの！返してよ！　　フィルを返してぇ！」
　アイシャは叫んでいた、恐怖もある、が弟が大事だったのだ
『ええ返しますよ……あなたの中へね……』
　気が付くと重戦士が背後でアイシャの腕を押えていた
「いや、いやぁそんな獣のような事！　放して！　放してよぉ」
　ジタバタ暴れるアイシャを重戦士の筋肉は軽々と押え込む
「彼ねえお姉ちゃんの事が好きなんだってさ……まったくねえ僕の次に入れさせてあげなよお姉ちゃんも楽しもうよ」
　屈託無くフィルは邪笑い、ゆっくりと肉の凶器を押し込んで来る
『この前のトロルに負けないように私が手を加えておいてあげたんだ、満足出来るだろう……』
　トロルのそれよりも一回りは大きいであろうそれはアイシャの肉を押し広げながらすぐさま奥に突き当たり更に
「あれ……止っちゃったもう少し入ると思うんだけど……」
　もう一度腰を引くと今度は一気に子宮にぶち込む勢いで突き込んで来た
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああ……」
　アイシャを泣かせる事にある種の快感を見出していたのはこの時傀儡師だけでは無くなっていたのかも知れない

　肉体の疲労により意識を手放したあとであっても、魔導師として意識界の底にある精神領域は活発に活動していたといってよい
『このまま見を任せていても解決の糸口にはならない……相手の所在をハッキリさせ処女を失った事によって魔力が消失したと思っている傀儡師に対して』
　実の所まだ魔導の契約は切れていないそういう事態になっていないのだが、相手がそう思っているのならその事は利用するべきである
『彼は何を犠牲に魔導の力を手に入れたのか？　底が問題だ……』
　元々魔導師同士の戦いなは不毛なものになる、だから時として魔導の根源となる契約を破壊する事を選んで無力化する手段が用いられる。
『あの無音の状況で魔法が起動しているから……真言魔導師では無い……おそらくは空間に魔導を起動させる形状を描き出す事によって魔導を操る紋章魔導師……』
　決め付けてしまうの早計かもしれないとフローライトは思う、があの糸によって形状を作っているだろうと想像出来るだけに
『向こうが一手先んじてる感じだな……』
　諦めではないにしろ、後手に廻っていることは事実である。
『でも紋章魔術ならば巨大な攻撃魔導は無い……準備に時間がかかるだろうからな……』
　情けない事に相手が見えた瞬間に攻撃系の最大呪文でもぶつけてみるかとしか思いが及ばない……
『身体の治療復元に体力を持っていかれているのだな……しかたないか……』
　そして……彼女が目を開けた時みすぼらしいカッコの男が立っていた
「お目覚めか？　マスター・フローライト」
　その場にサイレンスは無い事を目の前の男が証明してみせた。
「お初にお目にかかる……私が傀儡師です……」
　自身に溢れた表情でローブの下の口元が笑っていた。

　深く貫かれた状態のままでアイシャはベッドから立たされると、背後から
「うそ！　嫌フィル正気に戻って、止めてぇ　ひっ！」
　重戦士の凶器がアナルに触れ、そして
「かはっ！」
　貫いた
「気持ちいだろ？お姉ちゃん……これからは毎日楽しい想いをさせてあげられるんだ！」
　フィルと重戦士のペニスが薄い肉のを隔てて擦れあわされて悩乱させる
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああ」
　アイシャには今何も縋るべきものが見えなかった。
「契約の証を彫らなきゃね……」
　フィルはそう言うと何処かに持っていたらしい持ち出すと
「一度……いかしてしまおうか？」
　少年とは思えない口調で重戦士に話しかけると動きをあわせて責めててていく
「ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
　アイシャには何をされているのかすら理解出来無い状況の中で何度も何度も白濁した液体が大量に注がれていくのが解った……
「さあ……はじめよう……」
　フィルはアイシャの身体を重戦士に持たれかからせるようにすると手にした刺青用の魔道具をアイシャの腹部に押しあてた……

「凄い自信ね……」
　フローライトの声を正面から受けながら傀儡師は
「ええ無力化された小娘一人……恐れるものではありません」
　小娘と言われた事にはカチンと来たがフローライトの思惑通りに傀儡師が思い込んでいることは有り難かった
「それにあの女剣士も今私に隷属を誓うと言って来たのでね……」
　回りにアイシャがいなかったから傀儡師の手中にあるだろうことは想像出来る、それに今いる場所も前回アイシャを助けた廃屋の中だという事もフローライトにはわかっている。
「嘘でしょ？アイシャには私が隷属を誓ったとでも言うつもり？」
　この館にアイシャがいたとしても力を部屋の中に限定すれば破壊を意味する真言は起動出来る
「そんな手は使ってないよ、それにあなただって子供の身体だ傷は癒えていないだろう？、無理をする事は無いと思うのだけどね」
　あくまでも余裕を崩さない傀儡師に
「そう？で私には使うわけ？」
　フローライトは傀儡師から視線を一時も外せないでいる、手が動けば紐を操る事が出来魔導が起動するのが相手だった……それならば先手を取らなければいけない
「ええ、無力化されたとはいえ魔導師とは事を構えたくないですからね……」
　本心かどうかはわからないが微笑みを持って彼は返答する。
「なら後悔しなさい……」
　フローライトの口から魔導を起動させる真言が滑り出し、完結する。
「ファイヤー・ボール！」
　次の瞬間部屋の中は爆炎の炎で埋めつくされ骨も残さぬ破壊力に傀儡師は消し炭へと……
「あはははは……ゴッコ遊びですか？」
　はずだった、が実際はファイヤー・ボールの呪文は起動せず、何も起こっていない
「な……何故？」
　この時はじめてフローライトはうろたえた
「だから言ったでしょ、無力化してあるって……あははははは……全身の痛みがオークによってもたらされた傷に因るものだとでも思っのか？」
　嘲笑するように指先から糸が走り、フローライトの羽織っていた衣服を吹き飛ばす……
「これは……」
「そうさ、魔力を吸収してその起動を妨げるプロテクトさ……あははは……あの時もその３点に紐で縛りを入れたりして痛かっただろうからぞの傷自体を勘違いしたんだろ？」
　フローライトの乳首とクリトリスには金色に赤い文字の刻まれたピアスが光っていた。
「何で……こんな手の込んだ……」
「必要があったのさ、貴様の頭脳が俺には勝てないという事を刻み込む必要がな！」
　二手三手先を読みフローライトの弱った精神に刻み込んで行くのだ、自分の勝てない相手の事を……次に精神領域に潜った時にも傀儡師に勝つための策略を考える事が出来なくするために……
「私の……負けだわ……あなた隷属を誓うわ……」
　そして真言魔導師にとって言葉による制約は重かった……
　

「良し……」
　最後の紋を描き終えるとフィルと重戦士は固定するために貫いていたペニスを引き出す
「仕上げだなフィル……」
　嬉しそうな声でアイシャを囲むように立つと
「僕から行きますよ……」
　フィルは大量に噴出するように傀儡師にいじられたペニスからザーメンをアイシャにかけていく……
「おう、俺もだ！」
　そしてほぼ同時に重戦士も同じように噴きかける
　紋章にかかったザーメンは白い煙に代わりもうもうと立ち上ると
「あん……あっく……あああ……ああああああああ……ダメェ……」
　アイシャを官能の中へと落としていく……
「これでお姉ちゃんは……僕達のモノだ……」
　憑かれた表情でアイシャを見下ろす二人は出しきっても萎えないペニスをもう一度快楽に身を任せるべく、アイシャに埋めていく、今度はフィルが後ろで重戦士が前だった……
「ひぃ……もう止め……もう止めてぇ……」
　その挿入で意識を取り戻したアイシャは前回までと違っていた……
「何？　何これ……いやぁ……恐い……ああん……あふ……あん……」
　それは痛みを快楽に変換されていたことだ……
　全身に彫られた紋章がぼうっと光っていた……

　　つづく