第五話「悦楽」



 剣と何かがぶつかる音があたりに響き渡り、騎士達の連携がいくつかのモンスターの屍を築いた頃その中から囲みを突破して二人の人影が現れる。
 騎士達はその顔に見覚えがあったので呆れたように手を差し出すと馬車の位置を教えてまた数を増したように思えるオークとトロル、ホブゴブリンの混成隊を相手に戦いを再開する。

 プリシラ姫一行は外交を滞りなくすませての帰路の最中であった。
「音が聞こえませんか?」
 プリシラはもうじきこの旅行が終るのが寂しくて外にばかり意識を集中していたものだから何気ない音にも敏感だったのかもしれない。
「戦いのようですね……」
 騎士のその一言にプリシラの返す言葉はいつも決まっていて
「助けて上げなさいな、危険は皆で取り除くべきです」
 口論してもしかたないうえに騎士達はプリシラの臣下であるから命令には従う事になる、言いようは在るのだがたしかに危険は全力を持って排除するべきだった。
 だから、2名を残して他の騎士は戦闘をしているらしいその場所に駆けつけることになる。
「がんばってね!」
 それでも最近は自分も戦うと言わないだけ助かると騎士達は思っていた。
「姫様は馬車から出られませんように!」
 釘をさしてから走り去っていく騎士達を送って、そして戦いは継続中らしい音だけが聞こえて来る
「誰か来ます」
 残った騎士の一人が戦闘の方向から聞こえて来た草を踏みしめる音を聞いて警戒の為の剣を抜き腰を落す。
「敵かしら?」
 プリシラは馬車の窓から顔を覗かせながらその方向を凝視する
「止れ!」
 何者かが視界に入った瞬間に騎士が命令の声を発し
「まって!」
 プリシラが気が付いた
「ほら、行きに助けて差し上げた魔導師さんと剣士さんですよ」
 そう言えばと騎士にも見覚えがあった、おそらくは戦闘に行ったものがここに行けと命じたのだろう
「あ……また、助けられた……」
 剣士は側まで来てそれだけを言い
「お久しぶり、また合うなんてなんて奇遇なのでしょう?」
 素直に馬車の中に招き入れる
「でも、申し訳ないわ」
 魔導師が辞意を表明するものの
「何言ってるの? この中の方が安全だし今は素直に従っていなさいな」
 王族のオーラとでも言うのだろうか有無を言わせぬ所がある
「しかし、数が凄い……騎士殿達だけで平気かわからぬし、呼吸を整えたら加勢に行こうと思っているの」
 剣士のその言いようにプリシラは騎士へと目線を移し
「何が言いたいか、わかっているわよね」
「わかっていますが、それは出来ません」
「行きなさい! 仲間のピンチを放って置くのですか!」
「私達に二名がここを動けば姫の警護が居なくなります!」
 このての口論は昔から騎士に勝ち目がないものと相場は決まっている、そして命令を実行するはめになるのだ
「絶対に動かないで下さいね!」
 先に行った騎士よりも更に厳しい口調でプリシラに念を押すと騎士はかけて行った。
「しかし、何でこんな所に居たのです? 以前危険な目にあってもう出て来ないのではないかとうちの騎士などは言っていたのに」
「ええ……だから……克服しようと……」
 名乗りあって後の第一声がこれでは人の心臓をえぐるような質問ではあったが、歯に衣着せぬ物言いは好まれる所でもあったろう
「そうでしたか、元気になれました? ってちょっとん無理みたいですね」
 また逃げて来ていた、思惑通りに行くほど世間は彼女達を甘やかしてはくれないらしいとプリシラは考える
「チャンスはまだありますわよ、気落ちしないで」
 剣を使うものならもう少し粗暴でもハキハキしてる方がいいとプリシラは思う、アイシャはずっと俯いたままで元気も無い
「私達も……まだあるといいと考えてはいるのですが……モンスターの前に出ると恐怖が……」
 この前助けた時にはプリシラは状況をよく知らない、騎士達がやった事でプリシラが直接助けたわけではないので詳しくはわからないが目の前の二人はモンスターに凌辱されたと……
「頑張りましょう……ね」
 プリシラはこの二人の冒険者を元気付けたかった、自分が行けない所でもこの二人は実力で行くのだ羨ましい仕事だと思う、だから諦めてはほしくなかった……
「音が止みましたね……騎士達が帰って来ます」
 嬉しそうに馬車の扉を開けて外に降り立ち
「ええ……そうですね……」
 二人もそのあとに続く

 騎士達がその馬車の所に戻ってくるまでにどれほどの時間を要したかはわからない……が戻って来た時に彼等の血の気は引く事になった、すなわち馬車はもぬけのからになっていたのだ……


「こんな事して……いいのかしら?……」
 アイシャはフローライトに向かって求めたのは答えよりも救いであったろう
「どちらにせよ私達はもう後戻りは出来ない所にいると思うけど……自由意志があろうが無かろうが王家誘拐……大罪中の大罪ね」
 そしてオマケを付けるように冒険者は廃業よと
わたし……どうしよう?フィルをどうしよう……あ……」
 意識は罪を自覚し続け己を責めたてる、が肉体は快楽の前にひとたまりも無く操られた弟の愛撫に前後不覚になる毎日だ
「毒をくらわば皿までっていう事よ」
 何やら明るい表情でフローライトはいう
「?……んっ……」
 だがアイシャにはわかろうはずも無く
「行くとこまで行けば結果は自ずと見えて来るわ、それが地獄か天国か……わかりはしないものね」
 そんな会話をしながらフローライトの指先はアイシャの肌に浮き上がった文様を滑るように撫でていく
「あふ……」
 その一撫でごとに乳首が固く尖り、股間は溢れる愛液で洪水になっている
「もう……刺激がほしいのでしょ? フィル!」
 フローライトはアイシャの身体を四つん這いにすると
「一気にやってあげたらいいわ、あなたの事で今も悩んでいるのだからお姉ちゃんは」
 フィルはこっくりと頷くと
「お姉ちゃん行くよ……イク時はイクって言ってね」
 ズンッ
 響いて来そうなほどの衝撃でアイシャを貫く
ひぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
 その一撃でアイシャは軽い絶頂を迎え、そしてこのあと継続的に絶頂と混濁の隙間を繰り返す。
「俺も混ぜてくれよ……」
 フローライトの背後から重戦士がのしかかるように埋めていく
「んっく……はう……」
 精神よりも肉体の限界がすぐにやって来るフローライトはまだ快楽を知らない……
まだ濡れてなかったのか……まあいいや行くぜ!」
 ドスドスと乱暴な交尾をする男を諦めたように見つめながらフローライトもまたその行為に没頭していく
なに?……ここは……なんなの……」
 そしてプリシラはそんな状況の中目覚めた。


「何をしているの! 止めなさい……止めるのです!」
 必死で叫ぶプリシラの声を無視して目の前にいる男女は獣の行為をくり返している、はっきりと嗅いだ事も無いような匂いまで漂わせて……
「止めなさいと言うのに!」
 今まで人に敬われて来た彼女は無視されると言う行為にあった事が無い
『無粋はよすのですよプリンセス……』
 そして、その声は突然頭に響くように聞こえて来た。
「誰?……」
 あたりを見回してもいるのは目の前の4人だけで誰かが話した様子は無い
『教師ですよ、ええあなたに世の中と、あなたの身体の仕組みを教えるね』
 声が語りかけるに任せてプリシラはあたりの様子を窺う
『探してもいませんよ……あなたもあのふしだらな行為に埋没している彼等と同じ生き物だと言う事をね教えて差し上げようというのです』
 先程から気が付いていた、そうスカートの中に消えている一本の糸、そして疼くように下半身が尿意を伝えて来る。
『何やら腰がもぞもぞとして来ましたね、どうなっているのか見てみますか?』
 フルフルと首を振る、意識してしまうとその事が頭から離れなかった……
「解きなさい……私は……帰ります!」
 真っ赤になってそう叫ぶ
『いえいえ、お兄様がお迎えに来るまで楽しんでいって下さい……こうしてみましょう』
 糸がすぅっと上に上がっていくとスカートがまくれあがる
「きゃあ! だめです!」
 そして股間の付け根に刺激が集中する……
「あ……ああ……ああああ……あああああああああああ……ダメッ……」
 プシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
『おお、おもらしとははしたないですね』
「うそ……うそぉ……ただの……おしっこなのに……」
 スカートを黄色く染めながらプリシラは自分の顔が上気している訳を理解出来ないでいた。


「濡れた服を着たままだと風邪を引いちゃうから……」
 プリシラが自分の小水の中で火照った表情のまま身動き出来ないでいると、アイシャとフローライトがやって来て衣装を脱がしていく
「あなた達! こんな事は止めて、ここから帰して!」
 二人の登場がプリシラに今の状況を思いださせて、そして理性も取り戻している
「ごめんなさい……私には……」
 アイシャは謝りフローライトは黙々と作業をこなす
「あなたが連れて来たのではないですか!」
 スカートの下で糸が何処に行っているかようやく見えて来てプリシラは怒鳴りながらも自分の身体の不思議な突起物を眺めていた……
『あなたの身体の事も教えて差し上げると言ったでしょう……そこがあなたの気持ちのいい部分ですよ』
ひゃぁああ
 声が聞こえると同時にその糸はピンと引かれた、衝撃は脳天に突きぬけるようで、初の経験をプリシラに与える事になった……
『感度はいい様だね』
 しかし、強烈に過ぎる快感は刺激的過ぎてそれが何であるのか理解には繋がらない
「じゃあ……はじめるね……」
 アイシャはその糸で結ばれて充血し尖っている部分に舌を這わせるようにキスをする
あん……やぁ」
 プリシラは今度こそそれが快感を代表する器官である事を理解させられる
「ああ……なに……なんなの……これは……」
 アイシャは包み込むように口で覆うと舌を使ってあらゆる愛撫をためしていく、
「あああああ……だめぇ……私が……私で無くなる……無くなっちゃう……」
 翻弄されていた……
『じゃあ止めよう……』
 声によってアイシャの行為は突然ストップさせられた。

「あ……」
 それはあまりに突然の事だったので、なにが起こったプリシラはわからなかった、だから離れていくアイシャの唇を求めて腰が浮いていたなどと本人は気が付いていない事だろう
『さて、続きは二人で……』
 言われたようにアイシャの股間にフローライトはキスをしていく。
「あん……」
 アイシャの声には艶があったし、快楽の前にその瞳はけぶっている。しかし先程までは汚らわしいとだけ思っていた行為……今は何をしているのか理解出来ていた。
「う……」
 アイシャが快楽に身を揉まれてのたうつ様が自分と重なってみえるのだ。自然と腰が快楽という刺激を求めてモジモジとそわそわを繰り返している。
『また、おしっこですかな?』
 声がまた突然話しかけて来てプリシラは耳まで赤くして俯くしか無い
「違います!」
 俯いても、アイシャが喘ぎ声を上げる度に頭の中には先程の快楽に溺れる自分の姿が浮かび上がる。
『ほしいのかい? 先程と同じ気持ちの良さが?』
 それは甘い囁き……蜜を塗した罠の声……
「いらない……」
 王家の人間としてプリシラは人に屈する事を潔しとはしない
『想像してごらん、最初の私が与えた刺激の事を……』
 痛かったと思っていた、が身体が違う反応を返して来る
「知らない……」
 アイシャに与えられた快楽の先にあるもの……絶頂と言う未知の領域……最奥から何かが溢れるように感じられる……
『知っていると君の身体は言っているけどね……』
 プリシラが薄目を開けるように前を見る、アイシャの股は小水とは違う液体で濡れていた……
「あれ……」
 ゆっくりと自分の足を広げて見る、そこもまた何かで濡れている
『昔から言うのさ、身体は正直だとね……それが君が求めているものだよ……』
「私が求めてる……」
 その声の言葉を自分でも口に出していってみる、すると次第に自分もその行為を求めていたかのような錯覚におそわれはじめる
『私ならあげることが出来る』
「私は……あの刺激が欲しい……」
 2度目はそれが確信に変わって
『もう一度』
私はあの刺激的な気持ちよさが欲しいの!
 3度目は誘導の存在を忘れさせる……
『イケ!』
 ピンと張った糸が激しく引かれ弾けるとプリシラの絶頂の叫びが室内に響き渡った。
 




「今度はここね……」
 キスをして、胸を愛撫して首筋を舐める……足の指を何度も何度も噛む、アナルに指を入れて中からまさぐる
「ああ……ああん……かぁ……もう……もう息が切れそうだようぅ……アイシャさん……休みたい……休みたいよう……」
 口で言うよりも身体は刺激を求め反応を繰り返す。
「ああ……なぜ……なぜぇ……」
 そしてまた、アイシャはプリシラを最後までイかせない、その仕事は傀儡師によって独占されている
「身体……変なの……こんな所を触ってこんなになったら……もう服なんか着れないよ……靴だって捌けないし……指輪も出来ないよう……」
 焦らし、責め、焦らし、責めを繰り返す、アイシャは涙を流すしかない。快楽に溺れていくプリシラを見ているのが辛かった、聡明そうな良い姫様に見えたからなおのことだ……
「ごめんなさい……」
 アイシャのそんな声すら聞こえぬほどにプリシラは快楽を求めて全身をくねらせている。
『処女のまま商品に出来そうだな……』
 何処にとは聞いても仕方のない事だった、おそらくはアイシャ自身も売られるのだろうから……
ひぃう……あああん……おしりが……お尻がぁ
 プリシラが消息を絶ってより一週間……毎日の快楽責めはプリシラに正常の判断力を失わせたように見える
「……恐い……ああん……あふ……あん……ひゃああ……ああ……あくっ」
 そして、傀儡師の待っていた情報が知らされる事になる、すなわち隣国は王妹消息不明の理由を先の外交上のトラブルにて、プリンセス・プリシラは殺害されたと発表、隣国に対して宣戦を布告!
 
その日、戦争がはじまった……




  つづく