第三章「授乳奴」



 そこに暗闇があるというだけで人はかつてより何かがいるのでは無いかという恐怖にとり付かれて来たと言ってよい、その恐怖を払う為に明りを燈し、夜を昼にして現代の社会を築き上げて来たのだ。
 夜の学校……いるはずの無いものはその暗がりに潜む、そしてその事を記憶では無く人としての遺伝子が恐怖を呼び起こすのだ。
 そこには立ち入るべきでは無かったと……後悔するものだが、後悔した時には既に遅いと言うものだ。


 学校と言うものにもうどれだけ来ていかなかったか、睦美は考えていた。
「放任しすぎたかな? 先生にまかせきりって事じゃいけないわよね」
 睦美はどうやって舞華を慰めればいいのか悩んでいた、とにかくレイプとはとんでもない事だ、無論睦美に経験は無いからそれからの立ち直り方など知ろうはずも無い
「家族だからね、一緒に悩んでいくしか無いのよね」
 そう結論付けるしか無い、いくら考えても結論は最終的にそこに帰結していく。
「あれ?美香? 一人で先に行ったらダメよ」
 普段は生意気な口をきく美香も姉を心配なのか急ぎ足で校庭の方へ走っていく。
「でもあの子……意味わかってるのかしら?」
 最近の学校はちゃんと性教育をしてくれてるとは思うが……
「何処で強姦なんて言葉覚えたのかしら?」
 ちゃんと普段から娘達に感心を示していなかった証拠のように思えて、睦美を暗い気持ちにさせる。
「急がなきゃね……きゃ!」
 不意に背後から肩を叩かれて、驚く事になる
「大丈夫ですか?」
 その女性はビックリしたように
「いえ、ごめんなさい、気配も無かったから、もしかしてお電話頂いた先生ですか?」
 睦美は頭を下げる
「ええ、こっちですよお母さま」
 その女は当然教師ではない、が睦美にはわからない
「あの……連れて来たもう一人の娘が先に行っていて」
 校舎へ連れていこうとする女性を止めて
「校舎の中を通った方が早いですし、今日はお子さんの心配でいらっしゃったんでしょ?」
 その言い方には違和感がある。
「あなたは……誰なの?」
 電話口で教師は「舞華さん」と言っていたはずだ……
「馬鹿じゃないのね……」
 女性の手が睦美の胸元から喉にかけて這いずる。
「な?」
 そこには粘着性の液体がネットリと付着して
「これは……あなたを気持ちよくさせてくれるわ、安心してあなたの娘さんは二人とも気持ち良くなってるはずだから」
 あまりにも安心出来ない事を言い出す
「そんな事を! あなたはいったい……ああ……なに……」
 いつの間にか塗られていた液体が揮発して身体に影響を及ぼしていた
「まだ経験の浅い娘さん達と違って、流石に開発された人妻……これは聞き方に差がでるのですね……うふふ……」
 股間がいきなり潤っていた、腰が砕けようと言うほどにガクガクと震えて掴まっていないと立っていられないほどに
「あなたが……娘を……」
 正面からスカートの上から睦美の股間を摩り上げて見せる
「ひぁあ!」
 それだけでその場に膝まづいていた、スカートの上からでも見て取れるほどに湿っていた。
「いい母体ですね……」
 その場で睦美の服を剥いでいく、一枚の布が身体を這う度に睦美は絶頂寸前に追い立てられた
「あ……ああ……そんな……そんなこと……く……ダメェ……」
 女性はしばらくその場で嬲るのに満足すると
「連れていってあげますよ娘の所に……ねぇ」
 女性の力とは思えぬ怪力で睦美を担ぎ上げると校舎へと入っていった。




「お母さん、あそこみたいだよ……あれ?」
 美香は校庭に抜けて部室棟が見えるとこまで来てようやく背後を振り返り母がいない事に気が付いた
「何処行ったのかな?……もうすぐ迷子になるんだから」
 そう言いながらもこのあとの行動に逡巡する、姉の所に行って自分一人で姉に何が出来るのかを考えた時に何も思い付かなかったからだ。
「お姉ちゃんは心配だけどさぁ……」
 その時視界の端で動くものをとらえた、部室棟の窓でだ
「お姉ちゃんもう立ち上がってる……話し相手くらいにはなれるよね」
 そう言いながら美香は校庭を横切り空いてる窓の所まで近寄る窓から入るにはその手前の花壇を越えなければいけなかった。
「向こうに回らないといけないかな?……ん……」
 その時またもや動くものを見たのだ、それは花壇の中だった……
「何?」
 そして次の瞬間にはその何かが襲いかかって来たのだ
「きゃぁああああ……んぐ……ぐぷ……」
 その見た事も無い触手状の生き物はあっという間に美香を縛りあげそのうち一本は口に入って言葉を遮った。
「ん……んんんんん……」
 もがいても解ける様子も無く、ぬるぬるとした液体を擦り付けるようにしながらその触手は美香の衣服の下へと徐々に入って来る
『いやぁ!お母さん!お姉ちゃん!助けてえ!』
 塞がれた口からはくぐもった叫びしか聞こえずに、触手は慣れた行為を繰り返すだけのような平坦な行動に見える
『なに?なに?なに?お姉ちゃんを強姦したのってこいつなの?……こいつ……こいつ……私も強姦する気なの?』
 触手から出た液体が揮発して美香の精神を快楽へと導こうとした、彼女の性感が未発達だった為に彼女は一時のパニックから脱する事になったのだが、それは果たして本人に取って幸な事だったか
『ぐ……いやぁ……服破けちゃう……』
 触手が内側から膨らむように衣服を切り裂くと絡めたられたような美香だけが花壇の中にいて、昼ならばメルヘンな光景かもしれない。
『ん……痛い……痛いぃ……』
 無理矢理に触手の1本が狙いを付けたように彼女の秘肉を裂いて侵入を開始した、同時に粘液質の媚薬効果を撒き散らしながら肛門へと他の1本が進み、当然のように口に入ったそれからも喉の奥へと粘液質の液体は流し込まれていく。
「ふが……ぐが……ふ……ぶぶ……」
 息苦しさを止る為に飲み込むその液体に身体は徐々に痺れていくようだった。
『あ……なに……これ……おかしいよ……おかしい……』
 触手のうち何本かがまだ膨らみの足りない胸に針を刺していく、千草がされたのと同じように……
「あがががが……」
 完全に貫通した秘肉を捲り上げるように何本もの触手が這い回り、そして美香を部室の窓から中へと運んで行こうとするのだった。






「あ……私……私……」
 舞華は自分が衰弱している事に気が付いていた。
「死んじゃう……死んじゃう……私……ああああ……」
 もう何度目になるかわからない、しかし先程から身体が勝手に動いて止られない産卵を繰り返すのだ。
「うぐ……」
 舞華のお尻の下で気持ちの悪い色をした卵が綺麗に並んで産み落とされていた。
「あ……いい匂い……」
 身体が求めているとしか思えなかった、自分の意思だとは思いたくなかった
「ああ……先生……」
 千草の胸に滴るミルクが舞華を呼んでいる気がしたのだ、そして今の舞華は本能に従った
「んぐ……んぐ……んぐ……」
 いきなり口を付けて飲みはじめた、産卵の衝動は食欲に負けるのか止っていた。
「ん……あん……あ!……舞華さん?」
 その時ようやく意識を取り戻した千草は自分のおっぱいを吸う舞華にどうしていいかわからなかった。
「舞華さんやめて! 気をしっかり持って……私達は人間なのよ……こんなのは……ああ……間違って……ん……いるわ……」
 先程触手によって高ぶらされた性感が再び首をもたげて来た
「ああ……そんな……」
 そして急速に脱力感を憶えるのだ、みるみるうちに自分の子宮の中の物が育っているのがわかった。
「嘘ぉ……そんなことって……」
 恐怖を感じて舞華を離そうとした時に舞華の方から離れた。
「ふう……先生……ぐ……」
 何か言いかけた、が言葉はすぐに止められたのだ、自分の中にいる卵によって
「産まれる……」
 舞華は再び四つん這いになると卵を産み落とすポーズになってお尻を先程産んだ卵の側まで行ってまるで続きを産むように規則正しく産卵をはじめる。
「先生……先生……助けてぇ……」
 千草は何とかしてやりたかった、だが彼女の腹部も異常な事態になって来ているのだった。
「まさか……私の方も……産まれるの……」
 パキャッ!
 膨れた腹部の中で何かが砕けるような音がして秘肉の間からぬるぬると液体が染み出して来る
いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 魂も砕けよとばかりの悲鳴が部室内に響き渡る。
「いやぁ!いやぁ! はう……」
 そしてそのまま千草は意識を手放した。
「先生……」
 自分は身体を勝手に操られるようにして産卵を続けながら舞華はその姿に涙する。
「あ……」
 千草の股間からは先程の触手がぬるぬると湧き出し多少サイズは小さめだが舞華には見分けがつかない物が産まれて来た。
「先生……気を失ってる方が幸せだよ……これは……」
 そして、出て来た触手は舞華の産み落とした卵を1個取ると千草の秘肉の奥へと再び押し込むのだった。
「お姉ちゃん……」
 美香が窓から連れ込まれたのはその時だった。






「美香!」
 舞華の叫びは悲痛であった
「なんで、あなたまで……」
 そしてミルクを溢れさせる美香の胸を見た時にこれから起こる事を理解してしまったのだ
「なんで……なんでよぉ……」
 美香がここに来てしまった事が悔しかった
「ゴポ……お姉ちゃん、助けてぇ……」
 口から飲まされた液体を大量に吐き戻しながら拘束されたまま舞華の側に運ばれる
「ゴメンね……美香……ゴメン……」
 何故謝ったのかは自分でもわからなかった、ただこれから起こる事を先に知っている自分が許せなかった
「お……お姉ちゃん……」
 美香はこの時ようやく舞華が卵を産んでいることに気が付いた
「やっぱりこれに強姦されたの……?」
 涙はいくらでも零れた
「美香ぁ……」
 触手は美香を舞華のすぐ側まで運ぶと、まるで舞華に見せつけるように美香の股間を開き、1個の卵を取ると美香の幼い秘肉に押し付けた。
「なに?……ぎゃ!」
 短い悲鳴のなかその卵は美香の子宮に収まった。
 ゴトリッ……
 千草の時と同じで興味を無くしたようにその場に放置される。
「美香! 美香ぁ!」
 美香から返事は無かった。
「あ……」
 舞華の下半身が産卵を止た……そして彼女には再び
「ダメ……いやぁ……」
 空腹が美香の胸から滴るミルクを欲していた。
「飲んだら……また産む……それの繰り返しなのに……わかっているのに……」
 気持ちは遠ざかろうとしていた、口が勝手に美香の乳首を咥えていたような感覚さえあった。
「んぐ……んぐ……んぐ……んぐ……」
 その味は美味しいと舞華は思った。
 目の前で2束に増えた触手の化け物が突然入口に近づき出した。
『なに?今度は誰なのよ……』
 扉が開いて立っていたのは……
『母さん!』
 上気した牝の顔をした母親を舞華は見たのだった。




 触手が勢いよくぼぅっと立っている睦美に向かって移動を開始する、睦美もまた自分の置かれている状況を理解していないように何度も絶頂を迎えた顔で立っていた。
「舞華! 美香!」
 突如動き出した発条仕掛けの玩具のように動き出し、触手の間をすり抜けて娘の所に駆け付けていた
「ああ、舞華……大丈夫……舞華遅くなってゴメンねぇ……」
 大丈夫じゃ無さそうな事は一目でわかる、が今は娘を守る為に行動していた、先程すり抜けた触手に相対して二人の娘を背中に庇うかっこうを取る。
「お母さん! お母さんだけでも逃げて……手遅れになる前に……ねえ、お願い!このままじゃダメだよぉ」
 舞華の必死に訴えにも子を守ろうとする母には届かないのだ、それが親を想う子の心と言うのに
「あなたをこんな所に置いて行けないわ……」
 触手の移動速度はけして早くは無い、がゆっくりと着実に近づいて来る、睦美は絶対にその二つの化け物から目をそらさないように注意してながら向かって来る瞬間を待った。
「今までどれだけあなた達を放置していたか思い知ったわ……ダメな母親だったと思う……でもね、今度は必ず守ってあげる……母さんが必ず」
 完全に高揚した表情をしているにも関らず意思の力だけでそれに打ち勝っている、母の力と言うものは偉大だ。
「こないわね……」
 視線を外さなくなってから、触手達は一定の距離を置いたまま、近づかなくなった。
「焦らして、こちらの注意力が落ちるのを待つのね……」
 相手に確実に知性があるものとして睦美は考えていた、ここに運んで消えた女性も気になる所だが今は娘を守る事が優先だった。
 パキャッ……
 すぐ脇で音がした、そこには女性が1人倒れていて……
「あ……」
 視線をそちらに向けたのは一瞬だったはずで、その女性の股間から新たな触手が産まれたのを見た瞬間、嫌悪感が身体の動きを止てしまった。
「ひゃぁああ!」
 正面からの2体が長い触手を睦美に巻き付けるのにはそれだけで充分だった。
「あ……ああ……そこは……ダメェ……ああ……イヤァ……あああああん……から……身体がぁ……」
 舞華は自分の母が目の前で牝になる瞬間を目撃した、1本触手が増える度に睦美の声が大きくなった。
「んん……イく……イッちゃう……ああああん……」
 ものすごい痙攣を見せて化け物が吹き出す液体とは違う液体をばら撒く母の姿に舞華は涙するしか無かった。
「あう……あう……」
 目の前では今産まれたばかりの触手が三度千草に卵を植付けていた
「先生……母さん……」
 睦美の身体はいい感じに発情していて2体の触手はすぐさま舞華の下にある卵を確保するとそれぞれが1個づつ睦美の女淫の中へ押し込んだ
「あひぃ……くん……」
 その行為に対しても睦美の身体は反応して絶頂へと押上げられていた。
「私は……私は……どうしよう……」
 母の胸に針が食い込んでいく、その途端舞華にとって香しいミルクの香りが漂う……
「母さんの……ミルク……」
 大きな胸からひたひたとミルクは湧き出し、床をミルク色に染めていく
「美味しそう……」
 何も考えたくないと舞華は思ってしまった。どうせ助からないと……
「母さんも……美香も一緒だもんね……あはは……」
 狂ってしまえれば楽なのにと考えていた……しかし簡単に人は狂えないらしい
「いつまで続くのかな……これ……」




 パキャ……
  パキャ……
 パキャ……
 何度もお腹の中で音が弾けた、もう回数なんか覚えていなかったが朝日がゆっくりと部室に差し込み異様な光景を写し出していた。
「あ……また産まれた……」
 美香が自分のお腹を摩りながらそういうとすぐに今産まれたばかりの触手が舞華の下から卵を持って来て子宮に入れていく
「あ……ああ……」
 千草は産まれる度に与えられる快楽に逃げ込もうとしていた、そしてまた卵を入れられる快楽に溺れるのだ。
「はぁ……はぁ……舞華……美香ぁ……ダメな母親ね……私は……あああ……」
 そして、自我を取り戻して依頼睦美は泣き続けていた、彼女だけは絶えず3体の化け物が取り付いて動けないようにしていた。
「朝だ……みんなが……来ちゃう……みんなが……登校して来る……」
 パキャ……
  パキャ……
 パキャ……

 全校生徒を襲うにはまだ数は少なく思えたが、それでも間もなく犠牲者は出るだろう、なにせここから産まれた化け物達は学校中に散っていったから……

 そして夜は明けた……



つづく……