その声を聴いた途端、体が硬直したように動かなくなった。
「うわぁ……いや、いやぁ……」
 レイが身構えるよりも早く、ドーベルマンがひょいと前脚を持ち上げてレイの背中に前足を置く。そしてそれ以降、少しでも逃げる素振りを見せた途端に爪が柔肌をチクリと刺して乙女の動きを牽制した。
「ああ……やめっ! ううっ、せなか乗っからないで……んくうっ!?」
 くちぃっ……。