本能的な予感にモモコが肩を震わせた瞬間――。
 ぶちゅ……ずりゅりゅっ!
 勢いのついた羊水の奔流と同時に、モモコは二個目の卵を産み落としてしまう。
 卵から孵ったのは、またしても見覚えのある異形。
 首から下は緑の森に覆われた人型の体躯、両腕は肥大化した鞭の触手、頭に当たる部分に巨大な薔薇だが、綺麗さはなく醜く印象を受ける。
「地帝獣……カビラドグラーまで……」
 モモコが驚く間もなく、カビラドグラーが襲いかかる。
 産まれたばかりにも関わらず、前世の記憶でも引き継いでいるのか、モモコを仇敵だと認識しているようだ。
「は、離して!」
 俯せにされたモモコの股間に、カビラドグラーの根元が差し込まれてゆく。