「あなた!」
 モモコの凛々しい美貌からは、異形の仔を産み落とした妊婦だとは信じられない。
「なんてことをしてくれたのよ! 地帝獣を外に出さないために、あたしはわざとジャークマターで捕まっていたのに!」
 モモコはワナワナと肩を震わせてハミィに怒鳴る。
 自らの肉体に何が起きているのかは定かではないが、ジャークマターに捕まっている間は、凌辱の矛先はまずモモコに向くはずだ。
 そしてチャンスを窺っていたはずなのに、見ず知らずの女がインダベーたちと一緒にモモコを牢屋から出してしまったのだ。
 ジャークマターに対抗する宇宙戦隊キュウレンジャーの正体をまだ知らないモモコにとって、ハミィがインダベーたちと結託する一味だと映ってしまったのだろう。
 モモコが怒るのは無理もない。
「……え?」
 呆然とするハミィが反論しようとした時――。