「ん……んぅぅ」
 ピチョン、ピチョン……。
 どこかで水の滴り落ちる音が聞こえ、モモコは覚醒に導かれた。周囲は薄暗く、天井と壁のランプが微かに照らすほかには明かりはない。ツンと鼻を突くカビ臭さから、どこかの地下のような、目当たりの悪い場所なのだと分かる。
(あたしは……どうして……)
 ここが正確にはどこで、自分はどうなっているのか。現状把握が最優先事項だ。そう思って腕を動かそうとすると――。
 ジャラリ……。
「っ、これは……」
 両手首に鉄製のリングが嵌められ、そこから伸びた鎖が天井に固定されている。膝がやっとつける高さで、手を上げたバンザイの姿勢を取らされている。左手首には肝心のマスキングブレスは奪われていないが、抵抗ひとつできそうにない。
 それだけが救いといえば救いだったが、どのみちいまの状況は――。
(完全に捕らわれの身……ってやつよね……?)
 この部屋は宇宙帝国ジャークマターが捕らえた敵を置いておくための牢屋だろう。部屋の四隅に監視カメラが絶えず動いているのが分かった。
 ピンクマスクとして戦った地帝獣――イグアドグラー、カビラドグラー、スカルドグラー、ドリラドグラーに立ち向かうことができず、犯され続けたのは女戦士のプライドをズタズタに踏み躙られる辛さだった。
 長時間に及ぶレイプの後で牢屋に連れてこられたのだろう。
 陰唇は緩みきって、ぬらぬらと垂れ落ちる牡と牝の混合液が太腿とねっとりと濡れ、床に大きな染みを広げていた。
「これって……ザンギャックよりも扱いがひどいんじゃないの?」
 気持ちが萎えそうになるのを誤魔化すように文句を言う。
 ザンギャックの慰安婦奴隷であった過去を持つモモコの体験談では、凌辱後に必ずアフターケアがあったものだ。戦隊ヒロインたちに利用価値があるからこその対応ではあるが――。