途端に触感が数倍に膨れ上がったように感じられた。柔肌を這う愛弟子の手の動きが気持ちよくてたまらない。
(あたしの身体、敏感になってるぅ……)
 モモコは心の中に湧き立つ至福の感情に身を委ねそうになった。三点ピアスからのお仕置きプレイが凄いことを、モモコは身を持って体感しているのだ。
「いいことを教えてあげるね」
「……え?」
 すっかりと少年の手淫に骨抜きになってしまったモモコは困惑する。
「この三点ピアスは特注品でね。以前、モモコ先生が身に着けていたピアスよりも出力が十倍にあげてあるんだってさ」
 野球帽の少年はポケットからメモ用紙を取り出して読み上げる。
「えっと……何々……、モモコ先生がオーラパワーを体内から練り出すと、その発生量に応じて媚薬毒が分泌するっと」
「そ、そんな……!」
 驚愕が隠しきれないモモコは感情の昂ぶりから体内が火照った。
「それじゃぁ、用が済んだし、僕は行くね」
「ま、まって……!」
 三点ピアスから注射された媚薬液は、モモコから女戦士の意志も力も削り落としてゆくのだ。
 いまの絶望的な状況に気を取られて、何をどうするべきなのか、分からない。
「あ、そうだ! 僕が安全に逃げれるまでの間、モモコ先生には囮となって騒ぎを起こしてもらおうかなっ♪」
 野球帽の少年が掌に握ったスイッチのようなものを強く押し込める。
「あっ……」
 突然、ズウンッと身体の芯が震えたように感じられた。
 ビクビクビクゥッ!
 三点ピアスが強烈な振動を引き起こす。
「んふぅっ、ああっあ! クリトリスがぁ! オッパイも! ビリビリってきちゃう❤❤」
 モモコは拘束された身体だけでなく、整った美貌まで脱力させ、喘ぎ声を我慢できない唇の端から涎をこぼした。
「身体が……変だわ、こんなの……ぁ、熱いぃぃ!」
 肉体で一番熱いのは股座の花弁だ。
 手枷の鎖をガシャガシャと鳴らし、両手を引き摺り下ろそうとする。疲労困憊の太腿を擦り合わせて快感を抑えつけようとする。
 否、自慰行為がしたくてたまらないのだ。
「と、とめてちょうだい! 変になる……あたし、んふ、敏感になっちゃうからぁ……」
 すでに野球帽の少年がいないにも関わらず、モモコは懇願を続ける。
「ひぁんっ、ふっく……ふわぁぁ……あんっ! もぉお、イクぅ❤」
 艶やかな黒髪を振り乱し、快感の天国に向かって駆け上っていく。ひとりでに細い腰が跳ね上がり、見開いた瞳から歓喜の涙がこぼれる。
 ぷしゃぁぁぁぁあああああっ!
 すでに間欠泉と見紛うほどの大量の潮が噴き出し、床には失禁でもしたかのように甘露の染みが広がっていた。
「あ、あたし……こんな淫らになんかに、負けるもんですか……っ!」
 冷たい鉄格子の牢屋の中、監視カメラに撮影されながら、モモコは快楽に抗おうと宣言するのだった。