孤独な決意

「確か、こっちの方のはずよね……」
 公園の外に出ると、空気に重みを感じた。
 辺りを包み始めた闇のせいなのか、それとも、弱気な心が騒ぎ立てるからか。すぐさま逃げたくなり、モモコは両手でぴしゃりと頬を叩く。
「あの子には、悪いことしちゃったわ……」
 モモコが思い出した相手は、先程の公園にいたハミィだ。
 宇宙幕府ジャークマターの支配する地球――日本の都市部を統治するエロインダベーの基地内に囚われの身になっているモモコは、牢屋の中で聞いたことがある。
 対抗している組織は、41番目のスーパー戦隊――宇宙戦隊キュウレンジャーである。
 ハミィことシノビスター・カメレオングリーン。
 モモコの事情を知らないハミィは、ジャークマターの牢屋に閉じ込められているモモコを助け出してくれただけなのだ。
 いくら切羽詰まっていたとはいえ、ハミィを頭ごなしに叱ってしまったことをいまさらながらに悔いているモモコ。
「今度あったら、ちゃんとあやまっておかなくっちゃ」

(忍者と言えば……ハルカは大丈夫かな……)
 ザンギャックの慰安婦の身分から解放された後、親友であり相棒でもあるハルカと再会を果たした。東博士も交えて、3人で今までのことを色々と話し合ったものだが、光戦隊の仲間に相談するわけにもいかず、気まずい関係になっていた。
 タケル、ケンタ、アキラ――それにマスクマンに協力してくれた男たちから色欲の目で見られるたびにモモコは猛烈な恥ずかしさに苛まれ、胸がキュンキュンと高鳴ってしまったことをモモコは覚えている。


『どこに行く気だ? 虜囚モモコ』
 左手首のマスキングブレスからは、敵基地の主――エロインダベーの通信が聞こえていた。
『やめておけ。お前ひとりで何ができる? 所詮、敗北の苦渋を味わうだけだぞ』
「わかってるわ、そんなこと!」
 モモコの表情は疲労が色濃く残されていた。
 元々、ジャークマターの牢屋で、監禁生活の続いていたモモコに体力などあろうはずもない。常に鎖に繋ぎ吊るされていた両腕は、筋肉痛を患ったように痛みを訴えてくる。
 牢屋の中で地帝獣ドールドグラーの卵を産み落とし、執拗に犯されてからまだ一時間も経っていない。
 それでもモモコを動かすのは、サーベルドグラーを野に放ってしまったという事実だ。
「あたしはサーベルドグラーを止めるだけよ!」
 通信機に向けて叫ぶ声には苦渋が滲んでいた。
 地帝獣イグアドグラー、カビラドグラー、スカルドグラー、ドールドグラー、ドリラドグラー、サーベルドグラー。
 そしてこの先も産まれてくるかもしれない地帝獣たち――。
「すべての地帝獣は、あたしが相手するわ。これからもずっと……」
 その瞳にははっきりとした決意の色がある。
 なんと言われても引き返す気は無い。
「……あたしは、ピンクマスクなんだから!」
 モモコの言葉には、確固たる意志が感じられた。
 たとえ負けるだろう戦いでも、サーベルドグラーの矛先が自分だけに向けばいい。ハミィが凌辱される一部始終を見てしまったモモコの胸は、押し潰されそうなぐらいな重圧を思い知った。
『だが、脱走は重罪だぞ』
 通信機越しのエロインダベーも、モモコの決意に納得したようだ。
「エロインダベー! あたしは必ず戻るわ!」
 モモコはこれ以上にも無い台詞を言うと、マスキングブレスの通信ボタンを切って蓋を閉じた。
 なぜだかわからない――地底帝国チューブに属していた地帝獣を卵として産んでしまう体質にさせられたモモコは、普通の生活に戻れないだろう。
 今のモモコの居場所は牢屋の中しかない。


「見つけたわよ! 地帝獣サーベルドグラー!」
 モモコの凛とした声が響く。
 その行く手の先には、刃物のように鋭く尖った牙と爪を備えている大型の異形が待ち受けていた。頭頂部の一本角は槍のように天を挑んでいる。さらに全身をナイフのような鋭角の青い鱗が覆っている。
「オーラマスク!」
 早速、モモコは左腕のマスキングブレスを正面に翳し、変身の合言葉を唱えた。
 臍下丹田から正義心溢れるオーラパワーが練り出される――その瞬間!
「えっ?」
 ドクン……。
 その時、心臓が大きく波打ち、突如としてモモコの身体に異変が起こった。
「なっ……なによ……ぇ、あ……れ」
 身体の違和感を感じるよりも早く、突然にガクリと膝から力が抜け、モモコはその場にへたり込んでしまった。
「な……なんで、力が……抜けて……ぁ、違う、これ……」
 身体の熱がどんどんと火照り、呼吸が荒くなる。
「ちょっ……う、うそ……そんな、だって、これ……」
 焦りのあまり、言葉を繋げることもできない。膝立ちのまま胸を押さえ、モモコは苦しげな喘ぎを繰り返す。
 チクリ……。
 太腿の付け根の奥深く、針で刺されたような感覚に、モモコの瞳が痛そうに歪められる。
「んくぅぅっ!?」
 そのうちに膝で身体を支えることさえ苦痛になってくる。
「これは、まさか……」
 左右の乳首とクリトリスに装着された牝奴隷の証――三点ピアスが、ピンク色の光を帯びていた。
 真っ白になる頭の中で、太極拳の愛弟子に教えられた言葉が思い出された。


『この三点ピアスは特注品でね。以前、モモコ先生が身に着けていたピアスよりも出力が十倍にあげてあるんだってさ』
『それと、モモコ先生がオーラパワーを体内から練り出すと、その発生量に応じて媚薬毒が分泌するっと』


「う、あぁ!」
 サーベルドグラーは赤い鉤爪を生やした片手で、モモコの左肩を掴むと思いっきり地面に叩き付けた。
 ガツン、と後頭部が音を鳴らす。
「……っ……はぁ」
 モモコは酩酊する頭を必死で耐える。
 サーベルドグラーは上半身を屈み込んできた。
「いやっ!」
 弾む心臓の音。
 圧迫される肺に酸素が送れない。
 サーベルドグラーの重量がモモコの動きを封じていた。
 左の乳房をひしゃげるように大きな手の甲が押し付けてくる。左肩に鋭い鉤爪が突き刺さり、血を滲ませた。
「苦しい……離して……」
 モモコが抵抗しようとするも、右手はすでにサーベルドグラーの別の鉤爪に囚われている。万力でもかけられているように、骨がミシミシと軋む。
 ズクン!
 軽く開いたモモコの両脚の付け根に、サーベルドグラーの股間から生えた剣のように鋭く尖った肉棒が捻じ込まれた。
 女戦士の最大の弱点を穿たれ、ビクンッと身体が跳ねた。
「――うあっ!」
 すでに受け入れ態勢万全な秘貝は、ぬちゃぬちゃと愛液をこぼしながらサーベルドグラーの刀身を奥へ奥へと導き入れている。
「やめ……」
 モモコは左肩の関節が外れてしまうような重さに、必死に身悶えして重い枷から逃れようとした。
 唯一、自由な左手を動かすが、その動きは無力だった。
「あぐぅぅ!」
 モモコの弱々しい抵抗はさらなる危機に繋がった。
 苛立ったサーベルドグラーは右腕を、モモコの左肩から細い首へと滑らせる。ガッチリと捕らえた首で、そのままモモコの身体を片手だけで持ち上げた。
 モモコの足首は地面を離れ、ジタバタと宙を蹴った。
 サーベルドグラーは右手を自由にしてくれる。
「うう……っ……」
 モモコは自由になった両手で、サーベルドグラーの腕を掴み引き離そうとする。
 だが、いくら鍛え上げた女戦士といえ、地帝獣と力比べをして敵うわけはない。
 足のつま先でサーベルドグラーを蹴り上げたが、まるでコンクリートを相手にするようなもので、逆に足首を痛めてしまう。
「ぅ……う……」
 喉が圧迫され息が詰まる。みるみるうちにモモコの顔から血の気が引いた。サーベルドグラーの腕にしがみ付き、頚骨に全体重が掛かるのを防ぐ。
 一瞬呼吸が楽になる。
 首吊りから開放されるが、今度はさらに呼吸ができない。サーベルドグラーは万力のような怪力で細い首を締め上げる。鉤爪が首に食い込み、モモコの美麗な顔が苦痛に歪む。芳醇な血の臭いが鼻につく。
「あ……ぁ……」
 氷のように輝く赤暗い双眸が、モモコの瞳を覗き込む。
 恐怖に震えながらも、目線すら外すことのない女戦士を見下ろして、サーベルドグラーは残虐的に口を歪ませる。
「はぁ……」
 息苦しさにモモコの桜色の唇が開く。
 唾液を交わせた赤い舌がれろりと突き出されると、唇の端から顎を伝って涎が首筋にまでこぼれ落ちてゆく。
 それを見た途端、サーベルドグラーは目の色を変えた。
「グルル……」
 サーベルドグラーは首絞めをしたたまの右手で親指を傾け、モモコの顎を持ち上げる。
「なっ、に……を……」
 呼吸がままならないモモコは、頤を反らす形に頬を手に染める。
「モモコはどンな味ガするかナ?」
「はぁ……」
 サーベルドグラーの頭が突き出るように伸び、モモコの鼻先に悪臭を漂わせる。青黒い醜悪な舌が、モモコの卵型の顎を舐め回し、涎の味を確かめた。
「や、やめ……」
 桜色の唇を嬲るように責められ、モモコの顔が抗議の表情に変えた瞬間――!
 グサリ!
 その音が聞こえた瞬間、モモコの股間に激痛が走った。
 乙女の膣穴にサーベルドグラーの生殖器が半ばまで突き刺さり、亀頭の形を認識させられてしまう。
「あぐぅっ……ああっ、ああぁぁぁ……」
 首の拘束が少し緩み、痛みと苦しさのあまりに悲鳴をあげる。モモコの手足が抵抗しようと動くが、それはあまりにも弱々しく、非力であった。
「はぁ……っ、あぁぁ!」
 ぐちゅるっ!
 股間の穴が押し拡げられる激痛が走ると同時に力が抜けていく。
 子宮が燃えるように熱く痛い。
 右腕は力が入いらず、ダラリと地に降ろした。
「グルオオオッ!」
 サーベルドグラーは首を鷲掴みにしたままで、我が身を打ち滅ぼした仇敵モモコの身体を上下に揺り動かす。
「こ、こんな……」
 ピンクマスクの宿命として絶対に倒さなければならない地帝獣に、首を絞められたままで犯されるプレイは、想像以上に絶望感を感じさせられる。
 ぐちゃぐちゃ、ずちゃずちゃっ!
「あっ❤ あ、あ、あ、あ、あ、ああんっ❤❤」
 頭をガクガクと揺らされ、胎内を激しいストロークで責められる恍惚感に、正常な判断がままならないモモコのボルテージは駆け上がってゆく。
「ああんっ! イ、イクぅ! んんん……」
 絶頂に打ち上げられつつあるモモコの心をさらに苦しめようと、サーベルドグラーの長い舌がモモコの赤い舌に絡みついた。
 ぬちゃぁぁ……。
 ただでさえ息苦しいにも関わらず、喉奥を塞がんばかりに流し込まれる悪臭漂う汚い唾液。
(い、いやぁぁっ! こんなツバを飲みたくなんかないのに……っ!)
 どれだけ否定しようとも、モモコが呼吸を得るためにはベトベトに泡立つ大量の唾液を飲むしか方法はなかった。
 ごくごく……ごくごく……。
 モモコの喉が嚥下音を鳴らして動くと、サーベルドグラーの優越感が勝る。
「あぁ……はぁ、はぁ……ぁぅ……」
 意識が、遠退いてゆく。
 死が確実に近づいているのを、ぼんやりと感じていた。
 瞳から涙がこぼれおちる。
 このまま負けてしまうのか――。


「……っ……――」
 モモコの意識は失いかけていた。
 しかし、どういうわけかサーベルドグラーは凌辱を中断した。
 首の拘束も緩めてくれる。
「……ぁう……はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……」
 やっと一息ついたモモコの目には、サーベルドグラーがニヤッと笑って見えた。その口はモモコが流した唾液に塗れ、とても怖い。
「あ、あたしは……まだ、負けたわけじゃ……」
 モモコが悔しそうな声を漏らす。
 それが気に入らないのか、サーベルドグラーは再びモモコを傷付ける。空いた剛腕でモモコの背中を押さえつけると、両腕で女戦士の身体を抱え込んだ。
 まるで人形を相手にするように、無造作にモモコの身体を投げ捨てた。
 空を飛ぶような感覚。一瞬の無重力感。
 背中から地面に激突!
「く……あぁっ!」
 全身が爆発するような衝撃が襲いかかる。
 地面をゴロゴロと転がり、視界が暗くなって何も見えない。意識が混濁する。ひしゃげた肺から空気が残らず絞り出され、しばし苦悶の声すら出ない。
「……っ……」
 息をするだけで胸に激痛が走り抜け、身体中を苦しめる。酸素が足らずに、頭が真っ白で、何も考えられない。目の前が霞んでいくのを、歯を喰いしばり耐える。
「がはっ!」
 胃が縮み吐瀉した。
 固形物は一欠けらもないモモコの胃袋。
 吐き出されるのは、胃液に混じって白濁色の淫液だ。
「んくぅぅ! げほっ、げほっ……げほっ、げほっ……!」
 呼吸が少しはできるようになり激しく咳き込んだ。途端に激痛が全身に走り、力が抜け悶え苦しむ。
「くっ!」
 今度は煮え滾る熱湯でもかけられたように、股間が燃え上がる。
 ぶしゅぶしゅっ!
 膣内射精された精液が溢れ出して、しなやかな太腿を淫らに汚した。
 たった数分の間でモモコは戦闘力を失っていた。
 全身に隙だらけで、攻撃されたら避けようがない。
「な、なんで……アングラー兵が!?」
 モモコは驚愕に固まる。
 光戦隊マスクマンが地底帝国チューブを打倒したすぐ直後、宇宙帝国ザンギャックの侵略行為があったのだ。
 広大な地底世界にアングラー兵の残党がいたとしても、おかしくはないだろう。
「あたしを舐めないで!」
 モモコは全身にひしひしと感じる視線に晒されながらも、文句を言う。
 十匹以上のアングラー兵の双眸は強い怨恨と色欲を感じた。
「オーラマスク!」
 モモコは正面を見据えて、左腕のマスキングブレスをさっと構えた。
 またしても、三点ピアスが過剰な反応を示す。
 どくん、どくん……。
 双乳とクリトリスに媚薬毒が注入してゆく。
「くぅ……とぉっ!」
 痛みと苦しみに眉をひそめながら気丈に言い放った。
 自分の使命感が、モモコの心を鼓舞しているのだろう。
 光の壁を突き抜け、指先からピンク色の光沢感の眩しいマスキースーツを身に纏ってゆく。
「ピンクマスク!」



ピンクマスクの戦い

「――はっ!」
 サーベルドグラーの暗い紅の瞳が、ピンクマスクの身体を貫くように向けられている。
 青い鱗を生やす寸胴な足が開かれ、鋭く尖った生殖器が聳え立っていた。その先端からは乳白色の体液がポタポタと流れ落ちていた。
 モモコの愛液とサーベルドグラーの精液である。
 その混合液を見る限り、自分自身がレイプされたことを実感してしまうのだ。
 ズキンッ!
 股間が思い出したように鈍痛を走り抜ける。
「グゥゥ」
 サーベルドグラーの胸からは骨が突き出している。それを無造作に取り出すと、骨でできたナイフが二本握られていた。
 投げナイフの要領で飛来させてくる。
「こんなものっ!」
 ピンクマスクは手刀でナイフを叩き落す。
 今度は三本同時。
 軽快に避けているように見えて、実は少し動くだけで首や股間に鈍痛が走る。それを隠して左手だけでナイフを叩き落とす。
 スカッ!
 四本目を空振りしてしまう。
 咄嗟に身を捻ることで避ける。
「!」
 その反動で、気がついた時には五本目が目の前まで来ていた。
「きゃあっ!」
 胸に直撃した瞬間、骨短剣は爆発を起こし、弾け飛んだ。
 ダメージはマスキースーツが止めてくれるが、衝撃は完全には防げない。ピンクマスクはバランスが崩れて仰け反る。
「あぁぁ……ぅぅぅ……」
 その反動は、マスキースーツの中で下着もない乳房に響き渡る。振動の愛撫は、信じられないぐらいの快感をモモコに与えてくるのだ。
(き、気持ちよくなっちゃう❤)
 サーベルドグラーがそんな隙を逃すはずも無く、次々と爆発性の骨短剣を投げつける。
 ドカドカドカドカドカドカ!
 投げ放たれた六発の骨短剣が、マスキースーツに突き刺さる。
 お腹、左肩、両腕部、両大腿部。
 次の瞬間――それらが音を立てて次々と爆発した。
「きゃぁぁっ、あぁぁっ、きゃぅ、あぐぅ、ぁぅ、ぁぁああっ!」
 マスキースーツで巻き起こる爆発の嵐が、ジェット噴射のようにピンクマスクの身体を吹き飛ばす。錐もみ状態で岩壁に激突し、足下の地面に落下する。
「――っ!」
 媚薬毒の注入された双乳とクリトリスが強烈に疼く。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……❤」
 マスキースーツの中で艶めいた息をつく。
「っ!」
 それでも、歯を食いしばり何とか立ち上がる不屈の闘志のピンクマスク。
 右腰のベルトホルダーからレーザーマグナムを剣として引き抜く。
 それを持ち上げようとした時、右胸に鈍痛が走り抜けた。
「んんんっ!」
 ピンクマスクの反撃の意志に反し、焼きゴテを乳首に押し当てられたような高温が走り抜けた。
「くぅぅぅぅ!」
 快感にこらえて構えようとした剣が、あっさりと弾かれる。
 剣は地面を滑り、カラカラと音を立てた。
 サーベルドグラーは無造作に両手を伸ばす。
 女体の疼きに捕らわれたピンクマスクは、その手を払いのけることすら、考えられなかった。
「あぐぅ!」
 サーベルドグラーの鉤爪が、ピンクマスクの首と右手首を掴みあげる。
「離し……て……」
「フン」
 よほど首絞めが好きなのだろう、やがてサーベルドグラーは満足したのか、ピンクマスクの身体を投げ飛ばした。
「ああああっ」
 ピンクマスクは、為す術もなく背中から叩き付けられた。騒然と砂が巻き上がり、無造作にゴロゴロと転がる。
「ぐふっ」
 回転によって視界が翻弄した直後、肺が潰れそうな衝撃。
 朦朧とした意識のまま、青空のみだった視界が動き、揺らぎながら岩場と太陽を映す。
(確か……この先は……)
 ピンクマスクは咄嗟に思考を巡らせた。
 先程、気が付いたのだがこの先は、崖になっている。
「はぁっ!」
 身を起こしながら大きくジャンプし身を乗り出した時、それが過ちだと気がつくのであった。

「――しまった――」
 十メートルほどの崖下は、擂鉢状の広場になっていた。
 二十匹ほどのアングラー兵の銃弾が火花を噴き上げる。無数の弾丸の嵐が自分へ向かってきた時、ピンクマスクはハッキリとした恐怖を抱いた。
 ドォンッ!
 真先に足元が崩壊し、ピンクマスクから逃げ場を潰した。
「きゃあああっ!」
 まるでピンクマスクを粉々に壊す勢いで火花が散る。
「――あああああああぁぁ――」
 マスキースーツのあちこちが小さな爆発を繰り返す。
 黒煙が立ち上り、脳が揺さぶられて、三半規管が麻痺する。
「――あああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
 まるで公開された銃殺刑のような罰が、ピンクマスクの身体を陵辱した。完全なるリンチにピンクマスクは悲鳴をあげるしかなかった。
 十メートルの高さを銃弾の雨が降りしきる。
「あぐぅ!」
 銃弾の豪雨に晒され、硬い地面に叩きつけられた。
 完全なる装甲を誇るマスキースーツも耐久度を超えてのダメージなのか、シュウシュウと煙を上げる。
 流石に限界なのだろう。
「――っ……」
 大の字になって倒れていた自分が、無意識のまま起き上がろうとしていることを、ピンクマスクは理解した。
「くっ……げほっ、げほっ!」
 自由になったピンクマスクは必死に身体を起こし、激しく咳き込んだ。
(ま、負けたくない……)
 肩で大きく息をする。
 全身に力を奮い立たせて立ち上がった。

「はぅ……」
 ピンクマスクは立ち上がろうとして、逆に尻餅をつく。
 激しい疲労感がモモコを襲ったためだった。手足が鉛のように重く、身体中がだるく感じられる。頭がボオッとして、意識が混濁する。
「――ダメダメ!」
 ピンクマスクは咄嗟に頭を振って意識を取り戻す。
 こんなことで負けてなんかいられない!
 足元がフラフラになりながらも立ち上がる。
 だが、それは余計に敵に嗜虐芯を与えてしまう。さらなる暴行を受けることにしかならなかったのだった。
(いまは耐えることが大切よ)
 そう自分に言い聞かせると、自らのオーラパワーをすべて防御面へと回す。これで戦うことは乏しくなるが、耐久力は伸ばすことができる。
 ドドドドドッドドドドドドドッ!
 まるで死者への誘いのような協奏曲が、荒野に響き渡る。
 それはアングラー兵たちが殺到する足音だった。
(今は耐えなくては……必ず突破口を見つけられる。それまでは……)
 ピンクマスクは歯を食いしばり、恥辱に必死に耐えていた。


「こんなんで……負けるものですか!」
 軽い脳震盪を起こしたのか、考えがまとまらない。
 霞む視界に、アングラー兵たちが固まっているのが垣間見えた。
「今だわ!」
 ピンクマスクは好機とばかりに、立ち上がり反撃を試みた。
「マスキーリボン!」
 左腰に手を当てて、居合い抜きのようなポーズをとる。左腰に装備されているハイテクボックスから武器が現れた。
「はっ!」
 右手のマスキーリボンを太極拳の舞いとともに優美に旋回させる。
 ピンクマスクが腕を上げると、ピンク色に輝くリボンはまるで意思を持つ生き物のように空中へ舞った。新体操のように優雅な軌跡を宙に描く。
 白鳥が羽ばたくように、サーベルドグラーやアングラー兵たちを絡め取ろうと襲いかかる。
「フゥゥゥウウウッ!」
 サーベルドグラーは冷気ガスを吐き出した。
 その強烈な吹雪に押し出され、光り輝くピンク色のリボンは帰ってくるではないか――。

「――そんな!」
 ピンクマスクの背中を、戦慄が走った。
(マスキーリボンで拘束されるなんて!)
 愛用のマスキーリボンで、銀ベルトのやや上から胸元に至るまでを何重にも縛られてしまったのだ。両腕は脇にくっつける形で動かすことができない。
(早く、解除しないと……っ!)
 マスキーリボンの拘束力は、そう簡単には解けるものではない。それはピンクマスクがよく知っていた。
 握る部分からボタン一つでリボンの拘束力は収集することができる。
 だが、その時間を与えてやるほど敵は甘くなかった。
 一瞬にして隣に忍び寄ったアングラー兵に、マスキーリボンの取っ手部分が奪われてしまう。
「か、返して!」
 アングラー兵にマスキーリボンを引っ張られ、反動でリボンの締め付けがさらにきつくなる。
「くぅぅぅぅ!」
 両肘が脇腹に突き刺さり、お腹を押し込んでくる。
 胸元もグイグイと圧迫し、マスキースーツ越しにモモコの乳房の形を押し上げてゆく。固く尖った乳首が垣間見えた。
「あっ……! ちょ、ちょっとぉっ!」
 続いてアングラー兵が行った暴挙に、ピンクマスクも流石に文句を言う。
 マスキーリボンを持ったアングラー兵が後ろに回り、白いV字ラインの入ったミニタイトスカートを捲り上げたのだ。
「なにすんのよっ!」
 マスキーリボンの銀色の竿部分の切っ先を、ピンク色のマスキースーツ越しの尻孔に押し当ててくる。
「ま、まさか――」
 ピンクマスクの身体が硬直した。
 だが、本人の意志に反してお尻は力を緩め、挿入される異物を今か今かと待ち望む。
 宇宙帝国ザンギャックに囚われ、慰安婦奴隷として調教を受けたモモコのお尻はすでに性感帯として開発済みだった。
 ぬぷぷぷ……。
 狭い肛門の穴は呆気なく、侵入を許してしまう。
「あっ! ああああっ!」
 ピンクマスクの悲鳴がよほど嬉しいのか、アングラー兵はグイグイと菊門を押し込み、窄まりを穿り返す。
 ずぶずぶずぶっ!
(こ、こんなに乱暴にされたら、お尻が壊れちゃう……!)
 宇宙帝国ザンギャックは慰安婦奴隷。
 宇宙幕府ジャークマターには地帝獣の卵を産む家畜扱い。
 ならば、地底帝国チューブの残党にとってはどうだろうか。
 数百、数千匹の同胞を殺してきた憎き敵である。
 アングラー兵にとっては、たとえ腸内の壁を突き破ってお腹まで貫通しようと、モモコの身体が壊れても、それでピンクマスクに復讐できるならば、それは宿願とも言える。

 ミチミチミチ……。
 愛用の武器がお尻の奥へ奥へと埋没してゆく挿入感とともに、マスキースーツが亀裂を生じ始める。
「んふぅぅぅぅ~っ❤」
 光戦隊の超科学力によって作り出されたマスキースーツは、装着者のオーラパワーの発生量に応じて能力が変化する。
 だが、戦闘のダメージを吸収し続け、三点ピアスによってオーラパワーの発現も封じられたピンクマスクは、すでに本来の戦闘力を失っていた。
「い、い、い、いやぁぁぁ~っ! イ、イクぅ!」
 マスキースーツをコンドーム代わりとする浣腸責めに、モモコはフルフェイスマスクの下で脂汗を浮かべて悶絶するだけだ。

「グルルル……」
 サーベルドグラーの胸元から骨のナイフが投擲される。
 サクッ!
 軽快な音を立ててピンクマスクのフルフェイスマスク――額部分に突き刺さった。
「うああ……」
 こんなところで爆発されたら、モモコの頭も吹き飛ぶかもしれない。
 すぐに引っこ抜きたいが、両腕は少しも自由にならなかった。
 サクッ!
 続く投擲ナイフがフルフェイスマスクの口元を貫通し、切っ先がモモコの唇にわずかに触れる。
「い、いやぁっ!」
 死の恐怖に慄くモモコ。
 ピキピキピキ……バキバキバキッ!
 額と口元に刺さった爆発ナイフの間に、小さな音を鳴らして亀裂が走った。そのクラックはそのまま頭頂部を駆け抜け、後頭部にまで到達する。
 パリンッ!
 ガラスが割れるような音が鳴り響いたかと思うと、ピンクマスクのフルフェイスマスクは真っ二つに割れていた。
 カラン……コロン……。
 先程までモモコの頭を守っていた二つの半球体――無残に地面で転がり落ちた。
「そ、そんな……」
 艶やかでロングの黒髪がパサリっと花弁のように広がる。
 モモコの整った美貌は衆目の元に晒されてしまった。
 首から下はマスキースーツに身に纏ったままのマスクオフ。
 さらにフルフェイスマスクの額から後頭部に続く二本の白ラインは、バトルエネルギー増幅装置――それを壊されては、マスキースーツの性能が狂ってしまう。


 ブチブチブチィッ……!
 途端、お尻の孔に挿入されていたマスキーリボンに押し負け、マスキースーツが貫通してしまった。
 ずぶずぶずぶっ!
「ああっ! あひぃぃぃん!」
 菊皺に感じる冷たい感触にモモコは悲鳴をあげた。
 先端部で腸壁をゴリゴリとこそげられ、ピンク色のリボンが体液を滲ませながらS字結腸を塞いでくるのは、本来は苦しいだけなのに――。
「はぁんっ! ああっ! んんんんっ!」
 マスキーリボンの浣腸責めは、モモコに耐え難い快感を生んだ。


 パラパラッ……。
 頭部に集約されているマスキースーツの内臓メカが壊されたことにより、身体を縛っていたマスキーリボンの拘束力が緩んだ。
「あ、んくぅぅっ! はぁ、はぁ……」
 ピンク色のリボンが両腕から剥がれ落ちる。
(お尻の……マスキーリボンさえ抜ければ……っ!)
 絶望的な危機に見舞われようとも、まだピンクマスクは諦めていない。
 自由になった右手がマスキーリボンのスティックに届いていた。
 サーベルドグラーやアングラー兵たちに気付かれることなく、マスキーリボンをお尻の孔から引き抜くことができれば、逆転の一手は残されているのだ。
(お願い……マスキーリボン!)
 ピンクマスクが反撃に出ようとした瞬間――チクリッ!
「うああああんっ!」
 マスキースーツの股間部で、クリピアスが強烈な刺激を与えてくる。
 ブルブルブルルッ……。
 それはピンクマスクの意志を砕き、戦隊ヒロインから慰安婦奴隷に落とす戒めの鎖。
 一瞬でモモコの脳内はピンク色に染め上げられた。
「マ、マスキーリボン……縛ってぇ❤」
 ピンクマスクが個人武器に拘束を命じたのは、アングラー兵たちではなく――自分の腸内だ。
 シュルシュルシュル……。
 絹の擦れるような音を立てて、ピンク色のリボンがお尻の孔に埋め込まれてゆく。
「んあんっ! あ、あたしのお腹に、マスキーリボ、ンがっ……は、入って……くるぅ❤」
 性開発済みなモモコの腸壁は淫靡に蠕動を繰り返し、ピンク色のリボンを大腸の奥へと誤侵入してゆくのだ。
 ピクピクピク……。
 体内の異物の挿入に、モモコの引き締まったお腹が徐々に膨らみ始める。
 だが、装着者のボディサイズに合わせたピッタリスーツは、膨張など許さないとばかりに、グイグイとモモコのお腹を締めつけた。
 銀色のベルトは少しも緩むことない。
「お、お腹……苦しっ! で、でもっ、それが……んぁぁんっ!」
 外と中から圧迫してくる窮屈さがピンクマスクのお腹を苦しめる。
 マスキースーツとマスキーリボン――どちらも、ピンクマスクにはなくてはならない超兵器。それらを使って己の身を痛めつけるのは、媚薬毒が浸透したモモコにとんでもない快楽を齎してくれる。
「こ、こんなに! 苦しいのが、気持ち、いいなんて! あたし、知らない❤❤」
 絶対に倒さなければならない宿敵と下級兵士たちに囲まれながらも、マスキーリボンを使っての自慰行為に耽るピンクマスク。


「随分と堕ちタようダな? ピンクマスク」
「……え?」
 嘲笑を含んだ言葉に、モモコは顔を上げた。
「サーベルドグラー?」
 ピンクマスクは気力を振り絞って、目の前に立ち塞がったサーベルドグラーをジッと見つめる。だがその視線はサーベルドグラー本人ではなく、その股間から生えた生殖器に向けられている。
「ま、また……あたしを……犯す気なの……?」
 桜色の唇を震わせながら紡ぎ出す言葉を証明するべく、サーベルドグラーの巨体が視界を覆うように迫ってくる。
 反射的にもがこうとした途端、ピンクマスクの身体が宙に浮いた。
「は、離してちょうだい!」
 すかさずアングラー兵たちに四肢を掴まれたのだ。
 両脚は膝を折り畳んだ状態で大きく開くM字開脚姿勢を強制される。V字のミニタイトスカートが捲れ上がり、大切な急所を敵の衆人環視に晒されてしまうピンクマスク。
「いやっ! こんな格好……」
 マスキースーツ越しというのに、太腿の付け根はぐっしょりと濡れそぼり、大洪水となってピンク色の滑らかなスーツに淫靡な証を潤ませていた。


「ピンクマスクの剣で串刺しにされた恨ミを忘れテはいない!」
「きゃぁっ!」
 サーベルドグラーの名が体を表すように鋭く尖った刃のようなペニスが、ピンクマスクの太腿の間へ入り込もうとしていた。
 サクッ……。
 刀身の先端が振り上がった瞬間――ピンク色のマスキースーツの股間部に、縦割れの切れ目が走り抜けた。
「あ……くぅ……っ!」
 くちゅっ!
 マスキースーツのスリットから侵入した亀頭の先端が、剥き出しになっている秘裂に接触した。すでに受け入れ態勢が万全な秘貝は、くぱぁぁぁ、と開き、硬い異物に愛液の滴を塗り落としてゆく。
「んくぅあぁ……!」
 犯される――そう思った途端、背筋にビクビクとした甘い衝撃。
 度重なる戦闘ダメージが、媚薬毒によって快感へと変化されてしまっているモモコの女体。敏感になった膣肉は、サーベルドグラーのペニスを貪るように、ちゅっちゅっとキスの洗礼を送る。
「あっ、あっ、あっ、あああ~!」
 冷たく固い肉塊が膣の中を押し込んでくる。
 挿入感に、膣壁はくぱくぱと開閉し、圧倒的な存在感の肉棒を奥へ奥へと導き入れてしまう。
(ダ、ダメ……! あたし、サーベルドグラーに犯されてるのに……身体が、敏感になっちゃうっ!)
 お尻の孔に突き刺さっているマスキーリボンのスティック部分を傾け、淫らな肉壁を通じてサーベルドグラーの固い刀身に、コツンコツンッと当てるだけでビリビリと微弱な快感が股間に走り抜けた。
「ふぁっ……あっ、あぁっ……んっ……んぁ❤」
 ピンクマスクは快楽に酔い、黒髪を振り乱して悩ましげな喘ぎ声を漏らしてしまった。
 その華奢な肢体を左側から抑え込んでいるアングラー兵の掌が、ピンクマスクの左胸を鷲掴みにしたのだ。マスキースーツの中で押し潰される肉塊。
「む、胸はやめて……」
 続いて別のアングラー兵に右胸も、むにゅむにゅと力を込めて揉まれると、頭が蕩けそうになるほど甘い感覚に狂わされる。
「はぁっく! あぅ……ダ、ダメぇ❤」
 マスキースーツに浮き上がった乳首は媚薬毒の詰まった性感帯。それを指先でコリコリと摘ままれてしまう。
「うぁ……あ……で……出ちゃう……」
 乳房の奥でパンパンに溜まった熱汁が絞り出される疼き。
(こ、このままじゃ……また、溺れちゃうぅぅ……な、なんとか……ならないの……?)
 一縷の望みをかけて辺りを見回してみる。
 だがピンクマスクの身体はアングラー兵たちによってガッチリと捕まえられてしまっており、どうあがこうと状況が覆ることはない。
「くぁっ!」
 マスキーリボンの主導権は再びアングラー兵に奪われた。その代わりに掌で握り込まされたのはアングラー兵のペニスだった。
「あ、熱……っ」
 白いグローブ越しに伝わる欲情の塊。
 左手も別のアングラー兵の男性器を握らされていた。
「あ、あたし……」
 強化スーツを性玩具として使われる恥辱に、モモコは頬を朱に染めた。
 ザンギャックの慰安婦奴隷として教え込まされた調教の数々を思い出し、モモコの心に嗜虐心と奴隷心を彷彿させてしまう。
(あたし、ご奉仕しなければ……)
 しゅっ、しゅっしゅっ……。
 ピンクマスクは震える指先にわずかな力を込めて、両手のペニスを上下に扱かせて、手コキ奉仕する。
「ひぅ、熱くて……ビクビクしてるわね……」
 股間に挿入されたサーベルドグラーの刀身に比べれば、アングラー兵のペニスは随分と心もとない。それでも白いグローブから指先に淫熱が伝わってくる。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……❤」
 レイプされながらも牡に媚び媚な貌でご奉仕プレイを続けるピンクマスク。それを見たアングラー兵たちが殺到する。
「や、やだっ! まちなさいよ……っ!」
 ピンクマスクの批判など聞き入れられずはずもない。
 肩や肘関節を折り畳まれ、マスキースーツの滑らかな手触りに勃起した肉棒を差し込まれる。M字開脚を強いられる膝裏も使われた。
「や、やめ、て!」
 むせ返るような臭気と熱気が、ピンクマスクの理性を焼き焦がす。
 言葉とは裏腹に、モモコの女体は快楽を強く欲していた。
「ぅぅぅ……」
 膣内の媚肉はキュウキュウと収縮し、サーベルドグラーのペニスを締め上げている。神聖な子宮を徹底的に穢される精液を一滴残らず搾り出そうとする隷属感。
「違う……あたし……は、望んで……な……いわ……」
 モモコは桜色の唇から唾液を漏らしながら、声を絞り出す。
「グルオオオッ!」
 サーベルドグラーは高々と吠えた。
 グチュッ! グチュッ! ズンズンッ!
 憎きピンクマスクに恨みを晴らすべく、強烈なストロークで攻め立てるサーベルドグラー。鋭く尖った先端が子宮の奥深くを突き上げた。
「や、やだぁっ……! あたしは、あたし……は……イク! イクぅぅぅぅぅ❤」
 瞼の裏でちかちかと星が煌めいた。
 絶頂が近づいた瞬間――。
「グルオオオッ!」
 どぶどぶどぶっ! びゅくんびゅくんっ!
 モモコが絶頂するよりも早く、サーベルドグラーが膣内に精液をぶちまけた。神聖な子宮内を濃厚な子種で埋め尽くされる。
「うぁ! 熱ちゅいい~! イ、イクぅ! ダ、ダメなのに……もう、耐えられない……イクイクイクぅ! サーベルドグラーに犯されてイクぅぅぅ❤❤❤」
 ピンクマスクは背筋をビクビクッと激しく痙攣させ、大きく仰け反って悶絶する。
 ぷしゃっ、ぷしゃっ、ぷしゃぁぁぁっ!
 サーベルドグラーのペニスを呑み込んだ結合部の隙間から、愛液の潮と白濁液が淫靡な音を立てて噴き出す。
「あっ、あぁっ……あんっ……んぁ!」
 敗北絶頂直後のピンクマスクに向け、アングラー兵たちも欲望の証をぶちまけた。
 どばどばどばぁぁぁっ!
「んんん……いやっ! か、顔に、かかって……はぁう、ん、んぅ❤」
 大量に浴びせられた精液はロングの黒髪をべっとりと汚し、モモコの整った美貌を白濁色に化粧した。地底に住む者たちの体液はねっとりと濃厚で、ピンク色のマスキースーツにしつこく粘りついていく。
 胸元の『5』のマスクマンのイメージモチーフは、糸を引く白濁液で徹底的に汚辱されてしまった。
 だが、ピンクマスクに対する復讐劇はまだ始まったばかりだ。
「んんぁ、ああん! はぁぁぁん!」
「モモコ犯す! モモコ孕ます! モモコ犯す! モモコ孕ます!」
「あはぁあ! ダメ、そんな……アングラー兵に、犯されるなんてっ!」
 モモコを嬲っているのは、サーベルドグラーだけではなかった。荒い呼吸を漏らすアングラー兵たちが十数匹、モモコの肉体を貪るように強姦してゆく。
 大量の同胞を殺したピンクマスクの復讐を遂げるべく、我が分身を孕ませようというのだ。連帯感が生まれたアングラー兵たちに囲まれ、モモコは延々と犯されてしまうのだった――。