「お、おじゃまします……」
 店内の棚に並ぶ様々な商品を見た途端、モモコは頬を真っ赤に染めた。
 派手なデザインの下着、機械式のバイブやローター、首輪や手錠などの拘束具、ガラス製の巨大な注射器と奇妙な色の薬液など――いかがわしいものが大量に展示されていた。
 取扱説明書には、岬めぐみの顔写真とともに体験談が記載されている。そのほとんどは捏造されたものだろうが、まるでブルードルフィンが進んで実験を行ったみたいな感じで書かれている。
「んっ……」
 同じ戦隊ヒロインの痴態を見る趣味などないモモコはすぐに目を反らした。
 幸い他に客は見当たらず、奥のカウンターにスケベそうな店主がいるだけだ。
「いらっしゃい」
 頭が剥げた中年の男は物珍しそうに見つめてくる。
「その首輪は……ザンギャックかジャークマターの慰安婦奴隷で?」
「あ、はい。あたしは……ジャークマターの牝奴隷モモコ」
 モモコは凍りついたように固まり、声を震わせた。
 店内に辿り着いたら、自分の身分を証明しろ。というのはあらかじめ命令されていたことである。