「――の卵を転送して」
 野球帽の少年の声が聞こえた気がする。
 ドクンッ!
 その途端、モモコの下腹部に切ない疼きが走った。
「うああああっ!」
 じゅぶぶぶっ!
 お腹が徐々に膨張を始めたのである。
 もうお馴染となった感覚。
 子宮に新たなる生命が宿った記憶が途端に蘇り、モモコは息を呑んで足を踏ん張った。
 突然の事態に対応しきれない男たちが固唾を飲んで見守る。
「うあああ〜っ!」
 ぶくぶくぶく……。
 まるでお尻の孔に空気入れでも注入されているかのように、お腹が膨らみ続け、あっという間に妊娠六か月ぐらいまでに膨張した。
 赤いタンクトップが胸元まで押し上げられ、監禁生活で日焼けしていない白い肌が露わとなった。
「あ、あたしのお腹に、また地帝獣の卵が……!?」
 モモコの推測通りだった。
 すでに出産間近にまで膨れ上がったモモコの孕み腹――おぞましい生物の卵は嬉々として蕩けた子宮の中で成長を続けている。
 視界がふっと霞み、身体がバランスを失い出す。
「こんな、の……って……ぇっ! 」
 太腿に力を込めて倒れ込むことは避けたが、その反動で異形の卵は子宮を起点にして、徐々に落下を始める。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……んんんっ!」
 モモコは両手で脇腹をしっかりと抑えつけ、最後の抵抗を試みるが、それはもはや手遅れだった。
「うあっ! 産みたくない、産みたくない、地帝獣の卵なんかイヤよ!」
 清潔さを表す純白のホットパンツは、膨張したお腹に押し出されるようにしてずり落ち始め、モモコの股間から溢れ出す愛液でぐっしょりと濡れそぼっていた。