「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……❤」
産卵絶頂に息も絶え絶えとなるモモコの前で、卵が割れていた。
うぞうぞと蠢く肉塊は膨張したかと思うと、一気に成長を果たす。
「くっ……地帝獣ゾーラドグラー!」
モモコは悲痛に顔を歪めた。
その地帝獣は胸から上が巨大な頭部だった。緑色の球のような瞳が十個も存在し、唾液を撒き散らす口は五個もある。頭頂部からニョキッと三本の触覚が伸び、その先端には赤い球が付着されていた。体は頑強そうな皮膚に覆われ、肩の脇から触手がウゾウゾと蠢いている。地底の狩人の異名を持つ地帝獣だ。
「グルルル……」
産まれたばかりのゾーラドグラーは、股間からガチガチに硬直した剛棒を露わにしていた。亀頭の先割れから透明な先走り汁を大量に滲ませて、爆発しそうに脈打っていた。
「はう……っ」
モモコは息を詰まらせたまま、力なく首を振る。
「グフフフ……」
ゾーラドグラーは足元に寝転ぶモモコを見下ろし、愉快そうに笑う。
かつて我が身を打ち滅ぼしたピンクマスクの子宮を通して産まれ返ったのだ。そしてマスクマンに対する絶大な恨みも隅々まで覚えていた。
無造作に手が伸びる。
「痛い……っ!」
モモコは艶やかな黒髪を引っ張られ、無理矢理に顔を上げらせられた。
頭皮に引き攣るような痛みが走り抜ける。
瞳から大粒の涙が潤んだ視界の端で、ゾーラドグラーの固く込められた拳が、自分のお腹にめり込むのを見送った。
「ぐはっ……!」
髪はブチブチと千切られ、モモコは悶絶して再び崩れ落ちる。
ビュビュッ!
出産直後の牝穴からは、羊水混じりの愛液がこぼれ落ちた。
「――負けるもんですかっ!」
ゾーラドグラーから発散される怨恨にモモコは背筋が凍る思いだが、精一杯気持ちを奮い立たせて睨め返した。
痛めつけられるかもしれない。
犯されることになるだろうか。
だが、挫けるわけにはいかない――!
これぐらいのピンチなら今まで何度も切り抜けてきた経験もある。
ドンッ!
「あぐぅっ!」
仰向けに蹲ったモモコのお腹がゾーラドグラーに踏まれる。体重をかけてぐりぐりと踵で踏み抜かれると、内臓が圧迫されて息が詰まる。
「うぁぁ……」
「グルオオオッ!」
ゾーラドグラーはさらにモモコを苦しめるべく、モモコのお腹を何度も何度も踏みつける。そのたびに整った美貌は苦悶に歪み、悲痛な叫びを吐き出させられた。
「うあああ~っ!」
「フンッ!」
ひとまずの溜飲が下がったのか、ゾーラドグラーは足をどけた。
「ま、まって! ゾーラドグラー!」
モモコは慌てた声を出した。
当のゾーラドグラーはモモコに背を向けると、もう片方の女――百地霞へと足を踏み出す。
「あたしを! あたしを犯せばいいわ!」 |