一時間が経過――。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……」
 モモコの身体から滝のように汗が分泌される。それがガマロドグラーの皮膚に落ちるとすぐに蒸発して、サウナの中にいるような拷問を与える。
「グルルル……」
 憎きモモコを苦しめ嬲り者にできる喜びに、ガマロドグラーの体温がより一層熱くなってゆく。
「……うっ……はぁ……はぁ」
 口や喉元がカラカラに枯れ、水分を欲している。
「み、水を……」
 自分の欲求を呟きかけ、モモコは慌てて口を噤んだ。
「いいぜ、飲ませてやるよ」
 記録係のインダベーはモモコの小声も集音マイクで拾ってしまう。そしてモモコの水分補給の願いを叶えるべく、ジャージズボンの股間部から肉棒を捻り出した。
 むっとする牡の臭気。
(そ、そんなものを、欲しいわけじゃないわっ!)
 牝奴隷モモコにまともな食事は許されていないのだ。
 エロインダベーのモライマーズ艦内で虜囚の身となって以来、モモコが口にしてきたのは、穢れたザーメンばかりだった。
「どうした? いつもやってるみたいに、オチンチンを咥え込んで、ちゅぱちゅぱしてしゃぶってみせろよ。変態モモコ!」
 インダベーは必要以上に近づいてこない。
 尻孔がペニスと合体している今、モモコの方から上半身を前に突き出し、舌を伸ばさないと届かない距離――。
(イ、イヤなのに……)
 どれだけ否定しようとも、人間は生きてゆくためには水分が必要不可欠だ。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……」
 胸がキリキリと締め付けられ呼吸が苦しい。
 手足も引き攣り震え始めた。
「……はぁ……ぁ……っ……」
 意識が失いかけ、フラフラと身体が揺れる。
「グヌゥ?」
 ガマロドグラーが無造作に手を伸ばすと、モモコの若々しい張りを膨らませる乳房を鷲掴みにした。
「あっ!」
 根元からギュウギュウと強く揉みしだかれると、乳腺の奥から甘ったるいミルクがちゅぴちゅぴっと溢れ出してくる。
 さらに巨根を挿入されたままの圧迫感が残ったアナルも刺激され、モモコの背筋がビクビクっと震えた。
「あっ! あああ……はぐぅっ❤」
 その反動でモモコは後頭部をガマロドグラーの固い肩板に叩きつけてしまい、ズルズルと崩れ落ちた。でも、そのおかげで無理矢理に意識が覚醒した。
「……ぅぅぅ……」
 重い瞼を開くと、すぐ目の前にガマロドグラーの顔があった。逆三角型の口腔から溢れる悪臭が、モモコの嗅覚を刺激する。
「ぐぅえっ……」
 強烈な吐き気を催すが、それすら億劫だ。
 もはや瞑想どころではなかった。
 だが、そこから動くことはできない。
 ガマロドグラーの赤い双眸からは復讐心の炎がメラメラと燃えていた。凌辱と拷問の末にモモコの命が潰えても構わない、と殺意が込められていた。
 決して、気絶などという逃げ道など残されてはいない――。