先生と愛弟子

「ん……、ん……っ」
 宇宙幕府ジャークマターのエロインダベーが所有する攻撃宇宙戦艦モライマーズ艦内の捕虜収容所に、悩ましく艶めいた深い呼吸が響いた。
 その吐息の主は、光戦隊マスクマンの戦隊ヒロイン――ピンクマスクに変身するモモコである。
 鉄格子に遮られた牢屋の中で、モモコは手錠を嵌められた両手を鎖によって壁に縫い付けられていた。吊るされた身体は座り込むことを許されず、膝立ちの体勢を強要されている。
 衣服を着ることを許されないモモコが身に着けているのは、乳首とクリトリスに装着された三点ピアス、赤い首輪――すべてモモコが牝奴隷である証だ。
「やっと、モモコ先生に会いにこれたよぉ〜」
 ギギギ……と金属の扉が荒々しく開け放たれ、牢屋の中に入室してきたのは、野球帽を逆さまに被った小学生の高学年ぐらいの少年は、モモコの太極拳を学んでいた愛弟子である。
「あなたは……どうして、ここにいるの……?」
 モモコが目的もわからない不安から口を開くも、半袖半ズボンの少年はにやにやと笑みを浮かべている。
「もちろんモモコ先生が心配だったに決まってるじゃん」
「そうだったの……。でも、ここは危ないわよ」
 モモコの牢屋は常に四方から監視カメラと集音マイクで撮影されている。厳重な監視役のインダベーどもを掻い潜って、会いにきてくれたのだろうか――モモコは整った美貌をポッと赤らめてしまう。
「大丈夫だって」
 野球帽の少年は金属製の扉を、ガチャンッと閉ざして錠をする。