モモコは運が良かったのかもしれない。
 もし仮に、吹きかけられた物が猛毒であったなら、意識を失うのではなく命を失うところだったのだから。
「ん……」
「お休みなさい、モモコ……そして、ようこそザンギャックヘ」
 そこの声は当然モモコには届いていないのだが。