今回のチューブの事件を解決し、街には一旦の平和が戻った。
 噴水前でアキラが中国武術を披露し、それを眺める仲間――その瞬間だった。
「……っ、え……!?」
 背後に足音を感じた途端、モモコの鼻と口が覆い被された。
 それはアングラー兵の手だ。
「んんんっ!」
 モモコは声を出せぬまま、真後ろに引き摺られてゆく。
 拉致られる――そんな雰囲気を感じ取ったモモコは抵抗する。両手を翻して、アングラー兵の羽交い締めを振り払おうとした。
 モモコがいかに鍛え上げた女戦士とはいえども、単純な力勝負では雑魚兵にも劣るのは分かっている。それでもむざむざやられるほど、モモコは弱くない。
「あう……っ」
 しかし、モモコの両手に力は入らなかった。
 バチチッ、とお尻の方で弾ける甲高い炸裂音が耳朶を打つ。
(え……、え……?)
 目まぐるしく視界が回転して、両足が一気に力を失う。
 アナルに蠢く生きている武器が電流を迸らせ、モモコの身体を痺れさせたのだ。それを理解する間もなく、モモコはアングラー兵の腕に抱かれるまま、崩れ落ちていった。