(これはマスキースーツのデータを取るためよ。我慢しなくちゃ……っ!)
 実験に協力的なピンクマスクめがけ、上下左右前後から円盤状の突起物がついた機械が伸びる。
「うっ! な、なにこれ……っ?」
 ブゥゥゥンッ……。
 円盤状の機械から発せられた超音波が、マスキースーツの表面に波紋を作り出す。
『これが最新のデータ読み込みシステム。強化スーツの表面と裏側で微細な振動を送ることで、全身の状態を知ることができるんですよ』
 まるで強化スーツ越しに、何百という数のローターを押し当てられているようだ。
 抜群の防御性能を誇るマスキースーツを徹底的に擽られ、装着者のモモコにも耐え難いこそばゆさが、徐々に浸透してくるのだ。
「うふぅ、ふぁ、きゃっ、くひぃぃ~んっ!」
 全身振動プログラムは、完全に悦びのツボを押えた物だった。