『どうしました? オーラパワーを引き出してくれないと、実験データが取れませんよ』
「は、はいっ、いま……ふあっ、ああぁっ!」
 研究員のスピーカーの声に返事するピンクマスクは、きつく唇を噛みしめ快楽を押しとどめようとする。
「オーラパワーよっ!」
 ピンクマスクは恥辱を押し殺し、オーラパワーを練り上げる。
 指先に灯った淡い輝きが全身を包み、マスキースーツの性能を格段に引き上げてゆく。
『全身振動プログラムlevel2に移行します』
 機械の音声が鳴った途端――バイブレーションが強さを増し、マスキースーツが淫らに皺を刻む。
「ひぅっ、はひっ!」
 ピンクマスクは快楽振動に、思わずカクカクと腰を振ってしまう。
 全身振動プログラムは、決して官能を満足させるものではなかった。
 あくまでもマスキースーツのデータを取ることが目的なので、装着者のモモコには深い虐悦を与えてこないのだ。
「んはぁっ! あは、あっはああぁぁっ!」
 徐々に蓄積する心地良さともどかしさに、ピンクマスクは背け反らせ身悶えた。X字に拘束される手足が切なげに震える。