「うっ……ううぅ……っ!」
 モモコは決意を示すようにキュッと口元を引き締め、四つん這いになった。
 お尻を持ち上げた姿勢で、おずおずとピンク色の舌先を覗かせたモモコは、ゆっくりと大皿に向けて顔を近づけてゆく。
「ん……ふぅん……ぁ」
 遠慮がちに伸ばした舌が、精液溜まりの表面に触れた。
「んんんっ!」
 舌の先に味わう塩辛さが吐き気を催し、空っぽの胃を膨縮させた。
 吐き出せるものなら吐き出してしまいたい。
「れろぉ……ずるっ、ずるるっ……」
 だがモモコは夢中で舌を這わせて舐め取った。
 口の中に溢れ返る唾液を、精液に混ぜて無理矢理にでも飲んでゆく。
「美味しいか? さっき搾ったばかりのザーメンだからな! ギョギョギョ!」
「こんなの、好きで呑んでるわけ……ごくっ、ないわよ、ぺろぺろ……!」
 モモコがどれだけ否定しようとも、屈従の四つん這いで限界まで舌を伸ばして晒すその艶姿は、どこまでも浅ましく、はしたない牝犬だった。

「これが、あたしなの……?」
 経験のない記憶が、困惑に呟く今のモモコ。