「チューブ! そこまでだ!」
 タケルの大声とともに、キキッとジープが急停車する。
 仲間が次々に後を追う。
「あっ……くぅぅ……」
 モモコは立ち上がるのにやや時間を要した。身体の奥が熱量を伴い、甘い疼きが止まらない下腹部に耐えて荷台から飛び降りた。
「はぅっ」
 ビクンッと全身を駆け抜けるような衝撃に足腰が震える。ジープのフレームに背を押し付けることでしゃがみ込むことは避けた。
「んっ……くぅぅ!」
 チューブとの戦闘に少し出遅れたモモコの前には、アングラー兵たちが黒い暗幕となって、仲間との境界線を分断させていた。
「あたしだって!」
 モモコは太極拳で身構える。
 アングラー兵たちの卑猥な視線に曝されているだけで、早くも肉体がピクピクと反応してしまう。
「はいっ!」
 両手を交差して振り上げることで、アングラー兵の棍を無力化する。いつもなら、隙ができた敵に追撃の一撃を繰り出すのだが――。
「あ! は……ん……んぁ!」
 はしたない嬌声が、モモコの口から漏れた。
 身体の中を暴れる感極まった快楽に耐えるように全身が強張る。腰を引いた姿勢で小刻みに震えるモモコから牝の匂いが漂う。
「ん、くぅぅ……」
 体勢を保てなくなり、アングラー兵の棍を抑えきれない。逆に力負けした上半身が海老反りのようにバランスを崩してゆく。