「キイッヒヒヒー!」
 アングラー兵がチャンスとばかりに迫り来る。まさか敵対するモモコがここまで弱体化しているなど夢にも思わないだろう。
「はっ!」
 モモコは咄嗟に身を捻る。
 だが、ズキズキ疼く下肢を押さえているために、いつもの俊敏さはなかった。
「あっ……」
 後ろにいたアングラー兵が、モモコを背後から羽交い絞めにしていた。動きが止まってしまえばモモコの太極拳は戦闘力が激減してしまう。
「……ぁぁ……」
 戦闘中にも関わらずモモコは身体を少し強張らせていたが、やがて糸の切れた人形のように、アングラー兵の背中に身を預ける。病的な身体の疼きが飢えを望み、官能がぞわぞわと股間から這い上がってきた。子宮が際限なく熱くなってくる。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……んはぁぁ❤」
 モモコの吐息は艶かしく淫靡だった。眉根は弱気な八の字、頬は朱色に染まり、唇からは唾液が流れている。ブラウス越しでも分かるぐらいに胸は主張している。乳房は張りを示し、乳首もコリコリに尖っている。
「は、離し――むぐぐ……」
 両手首を腰の後ろ縛られたモモコは、拒否の声を上げるが口にボールギャグを噛まされていた。手慣れた拘束劇に涙がこぼれた。
 モモコの膂力ではアングラー兵と力比べをしても勝てる見込みがない。ましてや弱体化する今では太刀打ちできないのが事実だ。
「あたし……また……」
 モモコはまともに喋ることも抵抗することもままならず、アングラー兵たちによってお持ち帰りされてしまうのだった。