「緊急保護者会ですか?」
 呼び出された会議室に入ると、四方を長机で囲われた真中へと誘われる。
 そして、囲む様に立たされると
「うちの子の算数の成績が落ちたのは、先生がやらしい格好で授業をするので、気が散って勉強に専念できないからですわ!」
「色目を使っているのではありませんか?」
「いやらしい、その下にはどんな身体を隠しているのか……子供の前に立つには不適格なのでは?」
 八人の母親が口々に和美を糾弾し始める。
「先生の身体がどれだけ淫らしいのかを調べさせて貰いますよ」
 今まで黙っていて教頭先生が口を開くと
「え?」
「はやく脱いで、身の潔白を晴らしたらいいじゃないか」
 母親たちの前で着ている物を全て脱ぐように命じられる。
「無理です、そんな事……」
 教頭だって、和美の身体にはザンギャックによって付けられたピアスがある事を知っているはずなのに。
「拒むと貴方の兄弟達が明日から路頭に迷うかもしれませんよ」
「え?」
 もう、何も考えている場合ではなかった。
「は……はい……脱ぎます」
 何故辞める事になったのか、兄達に知られるわけにはいかなかったから、泣きながら従うしかなかった。