ゴーミンは数美のスカートのすそをつかんだままその場で立ち上がると、不敵な笑みを浮かべたまま言った。
「このパンツのどこが『特別』かというと――」
 そう言うとゴーミンは、数美に自分の穿いている下着を見るように促した。
 数美がこうべを垂れて自分の下腹部を覗き見ると、何の変哲もない下着だけが目に映った。しかし次の瞬間、その白一色だった下着の表面に、名にやら文字が黒く浮かび上がった。よく見るとそれは数字、いや正しく言うと「数式」だった
「な――」
「13×74」と書かれた数式を目にして、数美はゴーミンの意図がつかめず、二の句が継げない。
「簡単な話だ。この数式を解いてもらう。」