「見たまえ、地球式の結婚式場だよ」
 それは豪華な内装で、竜と式を挙げた斎場よりも華やかだった。
「嬉し涙か?」
「そんな事はありません!」
「宇宙を支配する帝国の皇帝御子息の挙式だ豪華じゃなければ嘘っぽくなる」
 竜が自分の給料の中で挙げたいと言ってくれた、それが香にも嬉しかったし、それ以上のものは無い。
 家に頼めば日本で一番の挙式だって挙げられたがそんな事には意味は無いのだ。
「そう……」
 肝心なのは愛だから。
「バリゾーグだけは、オリジナルと同じボディが使えるので、後でちゃんとセックスしてもらうぞ」
 メンテナンス途中の機械の身体が恐怖を感じさせた。向こうにワルズギルの仮面を被るゴーミンも居た。
 ここは、嘘で塗り固められた映画の世界だった。